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相関係数で見る、出来高・流動性・投資金額と日経平均の関係 

相関係数:2つの確率変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的指標。
-1 から 1 の間の実数値をとる、1に近いと正の相関があるといい同じ様に動く傾向がる。-1 に近ければ負の相関があるといい、反対方向の動きをする傾向がある。0 に近いときは相関は弱い

おおよその目安として、
相関係数が0.7~1.0 強い関連
相関係数が0.4~0.7 中程度の関連
相関係数が0.2~0.4 弱い関連
相関係数が0~0.2 ほとんど関連がない。
符号がマイナスならば、逆方向の関連。 

主市場が東証1部の1632銘柄の、「出来高」、「流動性(=出来高÷単元株数)」、「投資金額(=株価×単元株数)」、「ベータ」「ベータ乖離」の5つの指標の相関係数を計算しました。

ベータ:日経平均の値動きと個別銘柄の値動きとの感応度合を表した指標。 日経平均が「1」動くときに、当該銘柄がどれだけ動くかを示し、1に近いほど日経平均と同じ様な動き方をする傾向がある。 

ベータ乖離:ベータが1からどれだけ離れているかです。ベータが0.7なら0.3、1.2なら0.2。これが小さいほど日経平均を同じ様な動きをする傾向がある。

  ベータ乖離 ベータ 出来高 流動性 投資金額
ベータ乖離 × -0.79 -0.12 -0.05 -0.11
ベータ -0.79 × 0.24 0.15 0.15
出来高 -0.12 -0.24 × 0.85 0.04
流動性 -0.05 0.15 0.85 × -0.05
投資金額 -0.11 0.15 0.04 -0.05 ×

ベータ乖離ベータが-0.79の負の相関、出来高流動性が0.85の正の相関となっているのが目立ちます。しかしこれらは指数の性質を考えたら当然の結果かと思います。

投資金額流動性は、負の相関【投資金額が高い銘柄ほど、取引量が少なくなる傾向が有る】となっていますが、-0.05と無相関に近いです。

出来高ベータ乖離は、負の相関【出来高が増えるほどβとの乖離が少ない(日経平均と同じ様な動きをする)】となっていますが、-0.12と非常に弱いです。
流動性ベータ乖離は、負の相関【流動性が増えるほどβとの乖離が少ない(日経平均と同じ様な動きをする)】となっていますが、-0.05とさらに弱いです。
投資金額ベータ乖離は、負の相関【投資金額(株価×単元価格)が増えるほどβとの乖離が少ない(日経平均と同じ様な動きをする)】となっていますが、-0.11とこれまた弱いです。

上記3つの結果は、先週に書いた記事
流動性の大きい銘柄ほど日経平均の影響を受けやすい?
株価が大きい銘柄ほど日経平均の影響を受けやすい?
出来高が多い銘柄ほど日経平均の影響を受けやすい?
と比べると、相関がプラスかマイナスかの方向は同じですが、相関の強さでいうと印象が違ったものとなりました。

次に、1632銘柄を「出来高」を少ない順から並べ、100銘柄づつ17グループ(最後のグループは32銘柄)に分けました。(おまけの表1)
各グループの出来高平均とベータ乖離平均を算出。それをもとに相関係数を調べてみると、
出来高平均ベータ乖離平均は、-0.42という結果で、中程度の負の相関となりました。
ついでに、17グループに出来高が少ない順番に1,2,3…とグループ名をつけ、ベータ乖離平均との相関係数を調べたところ、結果は-0.98と非常に強い負の相関となりました。
出来高の絶対値よりも、相対的な出来高の大きさの影響が強いようです。

同様に「流動性」順に並べて、各グループの流動性平均ベータ乖離平均の相関係数を計算すると、
-0.36という結果となりました。
流動性グループ順番とベータ乖離平均との相関係数は、 -0.94
出来高の場合とほぼ同様の結果となりました。(おまけの表2)

同様に「投資金額」順に並べて、各グループの投資金額平均ベータ乖離平均の相関係数を計算すると、
-0.78という強めな、負の相関となりました。
出来高や流動性の場合よりも強い負の相関となりました。
ただし、流動性グループ順番とベータ乖離平均との相関係数は、-0.82 となり
と出来高や流動性の場合よりも負の相関が弱いです。(おまけの表3)

まとめ
出来高が多い群ほど、日経平均(おそらくTOPIXとも)との乖離が小さくなる傾向がある。
流動性が高い群ほど、日経平均(おそらくTOPIXとも)との乖離が小さくなる傾向がある。
投資金額が大きい郡ほど、日経平均(おそらくTOPIXとも)との乖離が小さくなる傾向がある。

「出来高」「流動性」「投資金額」といった項目は、「日経平均と同じ様な動きをするかどうか」に影響を与える要因で有ると言えると思います。

しかし個々の企業のベータを見ると、ベータ(ベータ乖離)の値のバラつきが大きく、その結果、相関係数も0に近いものとなっている。
これは、個々の企業の値動きでは「出来高」「流動制」「投資金額」以外の要因、例えば「業績」等による影響が大きいからだと思われる。

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ファットテール~NYダウ年騰落率の分布 

前回、NYダウ月足(月間騰落率)の分布を見たのに続いて、
今回は、NYダウ年足(年間騰落率)の分布を見ていきましょう。1929年~2008年の80年分のデータです。(2008年はまだ終わってませんが、12/25時点の数字で計算しました。)

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ファットテール~NYダウ月間騰落率の分布 

ファットテール

実際のマーケットでは、正規分布が示す確率よりも、かなり頻繁に極端な値動きが起こる。

ファットテールに関しては、[ファンドの海]でも、投資信託のリターンは対数正規分布に従うらしい、けど厳密には違うらしいで触れていますね。

なおファットテールについては、投資の科学の第25章「投資におけるファットテールについて」に詳しく書かれています。本には、SP500日足(日々の騰落率)の分布のグラフが載っています。

じゃあ、実際のところどうなのか。自分で調べないと納得できないたちなんで、調べてみました。
まず今回は、データが長くとれたので、NYダウ月足(月間騰落率)の分布を見ていきましょう。1928年10月~2008年11月の962ヶ月。
下表を左から説明。騰落率は、月の騰落率です。ちなみに1は0~+1%の範囲、2は+1~+2%の範囲、-1は-2~-1%の範囲を表します。
実分布は、実際のダウの騰落率がその範囲に入った月数です。
正規分布は、962ヶ月分の正規分布だと仮定した場合、その範囲に入る月数です。今回のNYダウの月足データでは、平均が+0.5%、標準偏差が5.5% でした。
実分布率と、正規分布率は、実数を割合に直したものです。
実分布率と正規分布率の累計は、分布率を累計した数字です。例えば実分布率累計の-2のところが24%なのは、騰落率が-2%以下だった月が合計24%有ったという意味です。正規分布累計も同様です。

平均が0.5ですので、正規分布グラフのピークは0.5でそこから左右対称となります。当然一番のピーク(最頻値)は0~1%の範囲となります。
それに対して、実分布グラフのピークは、1~2%の範囲となっていて、少し右によっています。
次にプラスの月とマイナスの月の割合はどの位なのか。正規分布なら962ヶ月中516月(53.7%)がプラスで446月(46.3%)がマイナスとなります。
実数の分布は、962ヶ月中、555月(57.7%)がプラスで407月(42.3%)がマイナスとなっています。正規分布よりもプラスの確率が高く、グラフが右よりなのが見てとれます。

では、肝心のファットテールについて見てみましょう。騰落率-12%以下は正規分布では1.0%ですが、実分布では20月(2.1%)です。正規分布では騰落率が-17%以下となる確率は0.1%ですが、実際は9月(0.9%)が-17%以下でした。ちなみに最も下がった月は、1931年8月の-30.7%です。
騰落率が騰落率が+13%を超える確率は、正規分布では1.0%ですが、実分布では10月(1.0%)でほぼ同じです。しかしもっと端を見てみると、正規分布では+17%を超えるのは0.1%ですが、実分布では5月(0.5%)が+17%を超えています。なお最も上がった月は、1932年7月の+35.8%です。

以下は、グラフにしたものです。横軸が騰落率、縦軸が該当する月数です。

ダウ月足分布

実分布のグラフははピーク付近、-1%~+4%ぐらいの範囲が、正規分布よりも高くなっています。つまり集中しています。-13~-2%、+7~+15%といった範囲では、正規分布よりも少ない月数となっています。そして、正規分布では現れないような端っこのところに、実分布ではポツラポツラ点在しています。


まとめ
実際のダウの月騰落率の分布は、-1%~+4%程度の平凡な値動きをする事が、正規分布と比べて多い。しかも、ピークは少しプラスよりとなっている。ややプラスで終わる月が多い
しかし、時たま、正規分布では考えられないような大きな下落や大きな上昇が有る。

ダウの月足の分布を見ると、「正規分布だ!」とは言えないが、「正規分布っぽいかな~」と言える程度かなと。(少なくとも月足では)正規分布を前提にしての「2σを超えない確率は95.4%」などといった計算は、だいぶ誤差が出そう。
ちなみに投資の科学に載っているSP500の日足と比べると、正規分布よりも真ん中の平均値付近に集中しているが、端っこの方も正規分布より高いという傾向は一緒です。日足の方がファットテールがより強くでています。

ダウの年足の分布はどうなっているか、次回にでも見てみたいと思います。

<追記>
正規分布のグラフは、標準偏差が小さいほど、バラつきが小さく平均値付近に集中するので高く細くなります。反対に標準偏差が大きいと、低く広がった形になります。
ファットテール(大きな変動)部分が標準偏差を吊り上げていると思われますので、仮にこの部分を抜かして計算したら、標準偏差が小さくなります。正規分布のグラフは高く細くなるので、パッと見は実分布のグラフにもっと近い形になるんじゃないかと思います。
ただし、当然ですがそれだとテールが細くなりますので、実分布のファットテールとの差はより際立つ形となります。

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株の値動き、標準偏差と正規分布について考える 

さてさて、記録的スピードでの下落が続く今日この頃。過去の統計データなんてあてにならないと言われるなかで、あえて標準偏差と正規分布について考えてみたいと思います。

1日に5%や10%平気で値動きする最近の相場を見ていると、株の値動きは正規分布とかけ離れている、むしろベキ分布に近いと感じられている人が多いと思います。私も日足だとそう思います。しかし年足(年単位)で見ると正規分布の方に近いんじゃないかと思います。
おすすめ関連リンク
短期的には非効率で異常なマーケット [小金持ち父さんの資産設計塾(?)]

今日2008年10月27日のTOPIXは746.46。1年前2008年10月29日(27日は土曜)のTOPIXは1606.49でした。騰落率は-53.5%です。標準偏差についてはどの期間で計算したかによって違ってきますが、野村證券金融経済研究所が2005年6月にまとめたデータによると、日本株は期待リターンが4%・標準偏差が20%です。これで計算すると、今回の下落は-2.97σ。ほぼ-3σの下落になります。
完全な正規分布の場合、-3σから3σの範囲に収まる確率は99.7%、それを超える確率は0.3%となります。1000分の3。という事は、今回の下落は100年に1度もない1000年に3度レベルの下落だったいう事でしょうか? ※100年に1度という話をするならば、毎年一回特定の日(その年の終値や4月1日など)だけで調べないとならないと思いますが、それは置いておきます。

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20%の下落と20%の上昇は、一緒なのか? 

20%の下落と20%の上昇は、一緒なのか?

1万円が20%下落したら、-2000円の8000円
1万円が20%上昇したら、+2000円の12000円
同じなような感じがします。

1万円が20%下落して、そこから20%上昇したら、8000×1.2=9600円
1万円が20%上昇して、そこから20%減少したら、12000×0.8=9600円
1万円にはなりません。

ちなみに下落した後、元の数字に戻るのに必要な上昇率は、

下落率  上昇率
-1% +1.010101% 
-5% +5.263158%
-10%  +11.111111% 
-20%  +25% 
-30%  +42.85714% 
-40%  +66.66667% 
-50%  +100% 
-60%  +150%
-70%  +233.3333% 
-80%  +400% 
-90%  +900% 

複利の場合、20%の下落と釣り合うのは25%の上昇。
単利といいますか、常に年始に投資金額をリセット(前年プラスだった場合は、プラス分を引き出す。前年マイナスだった場合はマイナス分を補填)するならば、20%の下落と釣り合うのは20%の上昇。


投信リターンシミュレーション@ランダムで、想定平均年利を0、標準偏差(σ)を10 とかにして設定すると、元本割れする確率の方が高いんですよね。また標準偏差を50にして、-2σを超える下落ならマイナスになってしてしまいます。
これは上記の理由が有るのかなと思いましたので、-5.26%は-5%に、-25%は-20%に、-100%は-50%になるようにプラス補正した数字も、シミュレートできるようにしました。それに期待リターンをプラスしています。

ただし統計学的には、補正せずにそのまま計算するのが一般的なようです。 もしかすると野村総研などの計算している利回りは、単純な平均利回りよりも少し高くなっていて帳尻が合ってる可能性も有ります。
そもそも株価の年リターンは、「正規分布っぽい」けど、「厳密な正規分布」ではないって事なんでしょうが。

新しい
投信リターンシミュレーション@ランダム(ver1.01)  
※ファイル名は前回と一緒です。

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