投信リターンシミュレーション@ランダム を作っちゃいました。 

前回の記事で紹介したフィデリティ証券投資達成額のシミュレーションや、私が以前に作った投資信託リターン計算シミュレーターは、毎年想定利回り通りで運用できた場合、どうなるかのシミュレーションでした。
しかし株式や外貨債券などの投資信託なら、実際には年ごとに大きなブレがありますし、マイナスになる年も有ります。キレイな右肩上がりのシミュレーションには少し違和感を感じてしまいます。

そこでExcelで、
投信リターンシミュレーション@ランダムを作りました。
<7/31追記 ↑プラス補正した数字もでる新しいバージョンです。>

年間のリターンはおおよそ正規分布となり、株価の動きはランダムである との仮定に基づいたシミュレーションです。
想定平均年利、標準偏差(σ)、元金、年間積立額の4項目を入力すれば、E列にシミュレーション数値がでます。
パソコンのキーボードの「F9」を押すごとにランダムに数字が変化します。
同じ条件で10回ぐらい「F9」を押せば、なんとなく傾向はつかめると思います。

やってみると、なかなか想定(F列)通りにはいかないというのが分かると思います。
当たり前ですが、標準偏差(σ)が小さいほどブレは小さく、想定との違いが少ないです。
想定平均年利が高ければ、多少ブレがあったとしても長期では元本割れする確率は少ないです。

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投資信託リターンの考察 まとめ 

投資信託のリターンの考察として、何回かに分けて記事を書いてきました。

1、複利運用と単利運用
特に投資期間が長くなれば長くなる程、期待利率(利回り)が高くなれば高くなるほど、単利運用よりも複利運用が有利になる。
単利運用(分配金を再投資しない)  複利運用(分配金を再投資する)

2、分配率
分配率=利益のうちどの位の割合を分配金として出しているか。
長期投資になるほど、分配する割合が低い方が有利である。

3、毎月分配型はどのくらい損なのか
毎月分配型は、年1回の分配に比べてどのくらい損なのかを、計算しました。毎月分配型である事による純粋なリターンのマイナスは、それほど大きくはない。しかし確実にリターンの差になっていく。また、毎月分配型の投資信託は、分配率が高く、分配金をそのまま受け取る人が多いと思われるので、そういった意味でも毎月分配型は中長期投資においては損。

4、分配金を再投資しないと暴落に強いのか
分配金を再投資せずにその分の利益を確定したおいた方が、もし下落した状態で売らなければならない場合には損失が小さくなる。
高利率や長期間の場合は、単利と複利の差が大きくなるので、売却時に相当な下落でないと、分配金再投資有りのケースを上回れない

5、買付手数料と信託財産留保額
買付手数料と、信託財産留保額は、ほぼその%分リターンが減る。

6、期待利率と信託報酬
投資信託のリターンにおいて、その投資対象が上がるかどうか(期待利率)が、もっとも重要になってきます。
同じ投資対象の投資信託の中から選ぶ場合、信託報酬はなるべく低いに越したことはありません。

以上をまとめると、

長期投資においては、
単利(分配金再投資なし)より複利(分配金再投資あり)の方が有利。

分配率は低い方が有利。

毎月分配型でない方が有利。

買付手数料と信託財産留保額が低い方が有利。

期待利率は高い方が有利。 (投資前に正確な利率はわかりませんが)

信託報酬は低い方が有利。

税金は低い方が有利。 (記事にはしてませんが、そりゃそうですよね。) 


まあ当然と言えば、当然ですよね。投資信託について調べたりした事有る人なら、分かっていた人の方が多いと思います。

で、投資信託リターンの考察として記事を書いたり、投資信託リターン計算シミュレーションを作るので意識したのは、なるべく数字を使って、数学的に考えるという事です。数字アレルギー?の人には嫌な記事だったと思いますが(笑)

数学的に考えるメリットは、それぞれの条件を数字で比較できる事です。
例えば投資対象など他の条件が同じとして、信託報酬が0.8%でノーロード(手数料無料)のAファンドと、信託報酬が1.2%で手数料2%のBファンドではどっちが良いですか?

誰だってAファンドの方がいいと思いますよね。

では投資対象など他の条件が同じとして、信託報酬が1.2%でノーロード・毎月分配型のCファンドと、信託報酬が0.8%で買付手数料が3%・年1分配型のDファンドではどっちが良いですか?

これは意見が分かれるところではあると思います。
短期ならCファンド、長期ならDファンドとなります。ここで数学的に各要素を分解して考えると、おおよそどの位の投資期間と利率であれば、両ファンドのリターンが逆転するか計算できます。

↓続きを読むでは、投資金額100万円・期待利率7%で、それぞれ投資期間1年・5年・15年の場合、各要素の影響度を計算してみました

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期待利率と信託報酬 投資信託リターン考察6 

投資信託のリターンにおいて、その投資対象が上がるかどうか(期待利率)が、もっとも重要になってきます。

投資信託は、定期預金や債券のように決まった利率・確実な利率が有るわけではありません。元本がマイナスになる場合もあります。

だからといって、適当に選べばいいやって事でななく、過去のリターンの実績やこれからの経済動向などいろいろな要素・アセットアロケーションを加味しつつ、トータルで利率が高くなると思われるポートフォーリオを作っていく事になると思います。

では実際に、投資対象が上がるかどうか(期待利率)が、どのくらいリターンに影響を与えるかを見てみましょう。

投資資金が100万円・投資期間が1年で期待利率が6%の場合。
1年後のリターンは税金を考慮しなければ、106万円になり6万円のプラスになります。
期待利率が1%上がって7%になれば、リターンは107万円になり+7万円。

単純に利率が1%増えたなら、元本の1%分利益が増えます

ただし税金を考慮して考えると、期待利率が1%増えたなら、リターンは税率10%の場合で0.9%、税率20%の場合で0.8%増えます。
例)税率20%のケース  利率が5%なら5×0.8で4万円の利益。利率が6%なら6×0.8で4万8千円の利益。


では、長期になったらどうなるのか。
まずは単利投資の場合を考えてみます。
投資資金100万円・投資期間10年・税率20%、分配率を100%で年1回分配・分配金は再投資しない
この条件で期待利率5%と6%それぞれで、シミュレートしてみると。

   5%  6%
リターン  140万円 148万円 
利益  40万円  48万円 
1年あたり利益 4万円 4万8千円

1年あたりの利益でみると、投資期間1年で計算した場合の数字と同じになります。利益の差は8千円。
つまり、単利投資の場合 期待利率が増えると利益は、投資金額×期待利率×0.8(税率20%として)×投資期間 だけ増えます。
例えば、投資金額が50万円で、投資期間が5年の場合、期待利率が1%違うと
50万×0.01×0.8×5=2万  2万円利益が違ってきます。


次に複利での投資の場合はどうなるのか。
投資金額100万円・投資期間10年・税率20%・分配率0%
この条件で期待利率5%と6%それぞれで、シミュレートしてみると。

  5%  6% 
リターン  150.3万円  163.3万円 
利益 50.3万円  63.3万円 
1年あたり利益 約5万円  約6万3千円 

複利運用の場合の方が、当然単利運用の場合よりも利益が大きくなっています。
5%と6%、1%の利率の差で、利益は13万円の差、1年あたり1万3千円の差となりました。

複利の計算は自分で単純計算するのは難しいので投資信託リターン計算シミュレーター等を使って計算すれば良いと思いますが
おおまかには
期待利率が増えると利益は、投資金額×期待利率×0.8(税率20%として)×投資期間×α だけ増えます。
αはこの投資期間10年の場合で、1.3万÷8千=1.62 大雑把に言うと1.5倍
複利にならない投資期間1年以内はα=1。
投資期間が長くなったり、もともとの利率が高くなるほど、αは高くなります。


利率は、投資信託の場合どうなるかは投資前には分からないといった事を書きました。
しかし、確実に投資信託の利率に影響を与えるファクターがあります。それが信託報酬です。
信託報酬は投資信託を保有している間毎日一定割合で控除されるものです。投資金額が100万円で信託報酬が1%なら、100万×0.01で年に1万円が投資信託の運用会社や販売会社への手数料として引かれます。

投資対象が同じ(近い)投資信託でも、その投資信託によって信託報酬は違います。
例えばTOPIXに連動するタイプの投資信託を見てみると、
野村のトピックスインデックスオープンで0.65%、
トヨタTOPIXインデックスオープンで0.49%、
ETFだと、野村のTOPIX連動型上場投資信託で、0.24%以内 となっています。

日本株という大きなくくりで見ると、アクティブファンドはもっと高めの信託報酬となり
フィデリティ日本成長株ファンドで1.71%
さわかみファンドで1.05%   などとなります。

この信託報酬の差は確実に期待利率の差になって現れます。
例えば、TOPIX型の投資信託よりも信託報酬が0.5%高いアクティブファンドは、毎年TOPIXを常に0.5%上回る運用をしてはじめて、TOPIX型の投資信託と同じリターンとなるのです。

100万円投資の場合、信託報酬0.1%の差で、毎年1000円の違いになっていきます。
複利運用の場合は1000円×α
信託報酬0.5%の差で10年運用したら5000円×10で5万円以上の差になります。

なので、同じ投資対象の投資信託の中から選ぶ場合、信託報酬はなるべく低いに越したことはありません。もちろん、買付手数料や信託財産留保額、取扱いの金融機関など、他のファクターも絡めての選択になると思います。

ただし、投資対象が違う投資信託に関しては、その投資対象の違いによるリターンの差が信託報酬の差以上になる事も多いです
まずはどんな投資対象に投資するかの全体のアセットアロケーション・ポートフォリオを考えてから、次に投資信託を選ぶという順番になると思います。

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買付手数料と信託財産留保額 投資信託リターンの考察5 

いきなりですが問題です。

販売手数料の1%と信託財産留保額の1%では、どっちがリターンにより大きい影響を与えるでしょうか?


では、シミュレーターを使って実際にどうなるか見てみましょう。

投資金額100万円、利率7%、分配率100%、年1分配、再投資有り(Eのみ再投資なし)の場合。
  A、1年税率20%  B、1年税率0%  C、5年税率0%  D、5年税率20%  E、5年税率20%再投資なし 
手数料0%
信託財産留保0% 
105.60万 107.00万  140.26万 130.65万  128.00万 
手数料1%
信託財産留保0%
104.55万
(99.006%) 
105.94万
(99.009%) 
138.87万
(99.009%)
129.56万
(99.166%) 
126.73万
(99.008%) 
手数料0%
信託財産留保1%
104.54万
(98.996%) 
105.93万
(99.000%) 

138.85万
(98.995%)

129.60万
(99.196%) 
127.00万
(99.219%) 
()内の数字は、手数料・信託財産留保額共に0%の場合の数字で割ったものです


まず、投資期間1年税率20%の場合のAパターンでは、手数料1%の場合のリターンが信託報酬1%の場合のリターンをわずか100円ですが上回っています。
何故こうなるのか?

税率0%の場合で仮定した方が分かりやすいと思うので、税率0%のBを見てください。
手数料0、信託財産留保額0の場合は、100万円が7%増えるので、100万×1.07=107.00万円
手数料1%、信託財産留保額0の場合。100万÷1.01=99.01万円分の投資信託を購入できる。99.01万×1.07=105.94万円
手数料0%、信託財産留保額0の場合、100万×1.07=107.00万円。そこから信託財産留保額を引いて107.00万×0.99=105.93万円

つまり、信託財産留保額1%の場合はリターンが1%減り99.000%だが、手数料1%の場合は100÷101=99.009%になる。
その為、信託報酬財産留保額1%より、手数料1%の方がリターンは高くなる。

投資期間が5年になるとどうなるか。まず税率0%のDの場合、やはり手数料1%の方が、信託財産留保額1%よりリターンが高い。

しかし、税率を20%にすると、これが逆転して、信託財産留保額1%の方が手数料1%のケースを400円上回る。
分配金再投資なしのEは、信託財産留保額1%の方が、手数料1%より2700円上回る。

なぜかと考えてみると、
分配金としてだして再投資しない分は、信託財産留保額が引かれないからである
もし再投資する場合も、税金分は再投資できないのでその分は、信託財産留保額が引かれないからである。

この場合「分配金として再投資しない金額×0.01」が、Bの時の差より大きくなれば、信託財産留保額1%の方がリターンが高くなる。


まとめ
分配金が出ないような短期投資においては、手数料1%の方が信託財産留保額1%よりもリターンが高くなる。

分配金として再投資しない金額(分配金再投資の場合は引かれる税金分)がある程度以上の金額になると、信託財産留保額1%の方が手数料1%よりもリターンが高くなる。

手数料が引かれる投資信託の場合(例えば1%分引かれるとしたら)、リターンは手数料0の場合と比べて1%低い数字となる。
手数料が3%引かれる場合は、当然リターンも3%引きになる。
大雑把な例をだすと、100万円が倍に増えたら200万だが、97万円が倍に増えたら194万円。比では変わらない。金額でいうと最初3万円だった差が、6万円と倍になる。
手数料がかかる投資信託の場合、その比でリターンも変わると覚えておく。

信託財産留保額の場合も、基本的にはその比でリターンが変わると覚えておく。
ただし、分配金として再投資しない金額が増えると、その分には信託財産留保額がかからないので、その比よりはリターンが上になる。

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分配金を再投資しないと暴落に強いのか? 投資信託リターンの考察4 

複利と単利の話で、分配金再投資した方が分配金再投資しないよりも有利との内容を書きました。
しかし、分配金を再投資せずにその分の利益を確定したおいた方が、もし下落した場合には損失が小さくなるとの考えで、分配金を再投資しない人もいます。はたして、その考えは合理的なのか否か?

まず考えて置かなければならないのは、例え一旦下落したとしても売る前に、それがまた元に戻れば、結局その下落は無かったと同じ事です。
例えば今年の2月の世界同時株安では、株価が平均10%位下落し、分配金を再投資している人の方が再投資分も下がるので、ダメージが大きかったと思います。しかしその後株価は回復しました。回復過程では分配金を再投資していた人は再投資分も上がるので、株価が元に戻れば結局は下落の影響は+-ゼロになります。

なので、ここでは売ろうと思っていた直前に急落してしてしまって、下がった状態で売る場合をシミュレートしてみます。
※信託留保額は売却時の資産に対して引かれるものなので、この欄に10%と入れれば、売却直前に10%下落したのと同じ結果になるかと思います。

まずは、投資金額100万円、利率6%、投資期間5年、税率20%、手数料0の場合。

    下落なし  10%下落 20%下落  30%下落  50%下落 
A  毎月分配 分配率100%
分配金再投資なし 
123.4万  113.4万  103.4万  93.4万  73.4万 
B  毎月分配 分配率100%
分配金再投資あり 
125.7万 113.6万  101.0万  88.4万  63.1万 
C  年1分配 分配率30%
分配金再投資あり 
126.8万  116.3万  105.3万  92.1万  65.8万 

下落なしの場合のリターンの差は、分配金再投資有りのBパターンは、分配金再投資なしのAパターンを2.3万円上回る。
10%下落すると、両者の差は2000円とほとんど同じになる。
20%下落するとリターンは逆転し、分配金再投資なしのAパターンが再投資有のBパターンを2.4万円上回る。
50%下落した場合では、AパターンがBパターンとの差は10.3万円まで広がる。

利率6%程度の安定運用で投資期間が5年くらいの場合、それほど複利と単利の差は出ない。
その為、10%下がっただけで、分配金再投資のアドバンテージは無くなってしまう。
(日経平均が18000→16200の下落で-10%。今年の世界同時株安レベル)
20%の下落(18000→14400で-20%)だと逆転し、ちょうど下落なしの場合とAパターンとBパターンの差と同じ位の差になる。



続いて同じ条件で、投資期間が15年の場合

    下落なし  10%下落 20%下落  30%下落  50%下落 
A  毎月分配 分配率100%
分配金再投資なし 
170.1万  160.1万  150.1万  140.1万  120.1万 
B  毎月分配 分配率100%
分配金再投資あり 
195.0万 178.9万  161.0万  140.9万  100.6万 
C  年1分配 分配率30%
分配金再投資あり 
208.0万  189.8万  171.6万  153.4万  113.9万 

今度は、分配金再投資有りのBパターンと再投資なしのAパターンでは、下落なしの場合で、24.9万円と大きな差になる。
10%下落しても、BパターンがAパターンを18.9万上回っている。
20%下落で、その差は10.9万円。
30%下落すると、その差は8千円となり、ほぼ一緒になる
50%下落すれば、逆に再投資なしのAパターンがBパターンを19.5万円上回る。

長期になると、単利と複利の差がはっきり出てくる。
今度は、30%(18000→12600で-30%)を超える下落があってはじめて、分配金再投資なしのAパターンが再投資ありのBパターンを上回る。

まとめ
分配金を再投資せずにその分の利益を確定したおいた方が、もし下落した状態で売らなければならない場合には損失が小さくなる。
特に、単利と複利の差が出にくい、低利率・短期間の場合に効果的。
高利率や長期間の場合は、単利と複利の差が大きくなるので、売却時に相当な下落でないと、分配金再投資有りのケースを上回れない。

よって、投資期間が短めで、売る前に下落する確率がある程度高いと思う場合は、分配金を受け取るという選択肢は有りだと思う。

もともと長期で投資する予定の人、下落しても(例えば2000〜2003年)また上がってくるまで待てる人、大きな下落が有る可能性が低いと思う人なんかは、分配金は再投資した方が良い。

↓続きを読むは、数字を使ったちょっとややこしい話なので、興味が有る人だけお読みください。

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