FX その2
FXについての第2弾。 第1弾はこちらの記事
FXで利益をあげるには、為替差益かスワップ金利、あるいはその両方のいずれかです。デイトレとか短期の人は為替差益狙いという事になります。中長期で保有する人は為替差益かスワップ金利の両方大事だと思うのでこの二つの関係を知っておいた方がいいと思います。
スワップ金利=買った通貨の金利-売った通貨の金利です。世界で見ると日本の金利は断トツで低いので、日本円を売って外貨を買うとスワップ金利がたくさんもらえます。逆に買った通貨よりも売った通貨の金利が高い場合はスワップ金利分払わなくてはいけません。
FXでは外貨預金と違って、ユーロを売ってドルを買うなど日本円と関係のない取引もできます。
初心者向けなのは、日本円を売って外貨を買う取引だと思います。私はこの取引したした事がありません。
外貨買い円売りで1万通貨の取引する場合(手数料を別にすると)で説明します。1000通貨取引の場合は、同じ内容を数字を置き換えて続きを読むに書いたのでこちらをクリックしてください。資金が少ない人は、1000通貨取引がおすすめです。
為替が1円円安(例えば1ドル117円→118円)になれば1万円の利益。逆に1円円高になったら(例えば1ドル117円→116円)になったら、1万円の損。当然5円円安なら5万円の利益、10円円高なら10万円の損失です。
スワップ金利は、通貨によって違いますし、FXの業者によっても違いますし、変動があります。
3月16日の外為ドットコムのスワップ金利を例としてあげると、ドル円1万通貨で1日149円です。67日、2ヶ月ちょっと保有すれば1万円のスワップ金利になります。つまりドル円の場合、為替が1円円安になった時の利益=67日保有した時の利益です。
1年で5万円ちょっとのスワップ金利になりますが、その間に為替が2円円安にすすんだなら、5万+2万でトータル7万円の利益。
2円円高なら、5万-2万でトータル3万円の利益。7円円高なら、5万-7万でトータル2万円の損失。
他の通貨も表にまとめると、
1万通貨 | 1日金利 | 1年金利 | 1万円まで | |
米ドル円 | 117万円 | 149円 | 54000円 | 67日 |
ユーロ円 | 156万円 | 133円 | 48000円 | 75日 |
豪ドル円 | 93万円 | 134円 | 49000円 | 75日 |
ポンド円 | 227万円 | 283円 | 103000円 | 35日 |
NZドル円 | 82万円 | 151円 | 55000円 | 66日 |
カナダドル円 | 100万円 | 93円 | 34000円 | 108日 |
スイス円 | 97万円 | 44円 | 16000円 | 227日 |
表の数字は外為どっとコム
1万通貨って項目は、その通貨1万通貨を日本円にした場合の価値です。細かい事を言うとちょっと違うのですが大雑把に言うと、レバレッジが1倍で取引する場合、この金額が証拠金として必要。レバレッジ10倍ならこの金額の10分の1が証拠金と必要となります。
1日金利の項目は、その通貨を1万通貨保有した場合の1日あたりのスワップ金利です。
1年金利の項目、その通貨を1万通貨を1年間保有した場合のスワップ金利です。ただし、金利は変動するので必ずこの金利を受け取れるというわけでは有りません。
1万円までの項目は、スワップ金利が1万円貯まるまでにかかる日数です。
カナダドルの場合、たった1日で1円ぐらい動く事はよくありますが、1円の為替変動と108日間保有した場合のスワップ金利は等価です。
こう見ると、スワップ金利よりも為替利益の方が影響が多そうです。
しかしレバレッジきかせる事で、同値撤退でもそこそこの利益を得られるのがFXの良さです。株の場合ある程度の期間保有しての同値撤退はその間資金が使えないし負けに近い引き分けですが、FXの場合はある程度の期間保有しての同値撤退は勝ちです。
ポンド円を1万通貨保有して半年で同値撤退したら、約5万円の利益です。
<ここからは、ちょっとややこしくなります。じっさいにFXを始めてみようって人だけ読んでみてください。>
いくつかの通貨を同時にポジションを取る場合、その通貨を何倍のレバレッジかけているかよりも、全体のレバレッジがどの位か知った方がいいと思います。例えばアメリカドル2万ドル、NZドル3万ドルで証拠金が100万円ならなら、(117万×2+82万×3)÷100万=4.8倍。
おおまかにいうと、(100÷レバレッジ)の分為替が円高になれば、資金は0になってしまいます。
例えばレバレッジ1倍なら100÷1で100%の円高になれば資金は0に。これはその国が無くなるような事が無い限りはありえません。
レバレッジ2倍なら100÷2で50%の円高(1ドル120円→60円)になれば、資金は0に。
レバレッジ5倍なら100÷5で20%の円高(1ドル120円→96円)になれば、資金は0に。
レバレッジが10倍なら100÷10で10%の円高(1ドル120円→108円)になれば、資金は0に。
まあその前に、マージンコール(追証)になるでしょうが。外為ドットコムの場合損失が、証拠金の50%になったらマージンコール(追証)がかかるので、(50÷レバレッジ)の分為替が円高になれば、マージンコール(追証)です。
レバレッジ2倍なら、50÷2で25%の円高(1ドル120円→90円)になれば、マージンコール(追証)。
レバレッジ10倍なら50÷10で5%の円高(1ドル120円→114円)になれば、マージンコール(追証)。
マージンコール(追証)がかからないように、取引をしたい場合。
まず、その通貨・レバレッジでいくらでマージンコールがかかるか知る。
100万円の証拠金なら50万円の損失でマージンコール。
通貨ごとに自分でここまでは下がらないだろうという値を設定する。例えば米ドルは1ドル100円は割らないだろうと考えるなら、1万通貨あたり17万円の損失の余地が有り。NZドルは70円を割らないだろうと考えるなら、損失の余地は12万円。
この場合、米ドルは2万通貨、NZドル1万通貨で損失余地は17万×2+12万=46万円。
より短期取引で考える場合、短期間ではそんなには下がらないだろうし、その前にロスカットできるなら、もう少し多めの上の数字で計算してみればいいと思います。
米ドルは1ドル110円を割らないだろう、NZドルは77円を割らないと考えるなら、米ドル1万通貨あたりの損失余地は7万円、NZドル5万円。
この場合、米ドル5万通貨、NZドル3万通貨のポジションをとった場合の損失余地は、7万×5+5万×3=50万円です。
自分の想定以上の円高にすすんでしまったら、マージンコール(追証)もしくはロスカットになってしまうので、余裕をもった想定をした方がいいと思います。
説明でわかりにくかったところがあれば、お気軽にコメントください。
<ここから先は1000通貨取引の場合の数字です。上に書いた事と同じ事しか書いてません>
為替が1円円安(例えば1ドル117円→118円)になれば1000円の利益。逆に1円円高になったら(例えば1ドル117円→116円)になったら、1000円の損。当然5円円安なら5千円の利益、10円円高なら1万円の損失です。
スワップ金利は、通貨によって違いますし、FXの業者によっても違いますし、変動があります。
3月16日の外為ドットコムのスワップ金利を例としてあげると、ドル円100通貨で1日14.9円です。67日、2ヶ月ちょっと保有すれば約千円のスワップ金利になります。つまりドル円の場合、為替が1円円安になった時の利益=67日保有した時の利益です。
1年で5千円ちょっとのスワップ金利になりますが、その間に為替が2円円安にすすんだなら、5千+2千でトータル7千円の利益。
2円円高なら、5千-2千でトータル3千円の利益。7円円高なら、5千-7千でトータル2千円の損失。
他の通貨も表にまとめると、
1千通貨 | 1日金利 | 1年金利 | 千円まで | |
米ドル円 | 12万円 | 14.9円 | 5400円 | 67日 |
ユーロ円 | 16万円 | 13.3円 | 4800円 | 75日 |
豪ドル円 | 9万円 | 13.4円 | 4900円 | 75日 |
ポンド円 | 23万円 | 28.3円 | 10300円 | 35日 |
NZドル円 | 8万円 | 15.1円 | 5500円 | 66日 |
カナダドル円 | 10万円 | 9.3円 | 3400円 | 108日 |
スイス円 | 10万円 | 4.4円 | 1600円 | 227日 |
表の数字は外為どっとコム
1千通貨って項目は、その通貨1000通貨を日本円にした場合の価値です。1万円以下は四捨五入してます。
細かい事を言うとちょっと違うのですが大雑把に言うと、レバレッジが1倍で取引する場合、この金額が証拠金として必要。レバレッジ10倍ならこの金額の10分の1が証拠金と必要となります。
1日金利の項目は、その通貨を1000通貨保有した場合の1日あたりのスワップ金利です。
1年金利の項目、その通貨を1000通貨を1年間保有した場合のスワップ金利です。ただし、金利は変動するので必ずこの金利を受け取れるというわけでは有りません。
千円までの項目は、スワップ金利が千円貯まるまでにかかる日数です。
カナダドルの場合、たった1日で1円ぐらい動く事はよくありますが、1円の為替変動と108日間保有した場合のスワップ金利は等価です。
こう見ると、スワップ金利よりも為替利益の方が影響が多そうです。
しかしレバレッジきかせる事で、同値撤退でもそこそこの利益を得られるのがFXの良さです。株の場合ある程度の期間保有しての同値撤退はその間資金が使えないし負けに近い引き分けですが、FXの場合はある程度の期間保有しての同値撤退は勝ちです。
ポンド円を1000通貨保有して半年で同値撤退したら、約5000円の利益です。
<ここからは、ちょっとややこしくなります。じっさいにFXを始めてみようって人だけ読んでみてください。>
いくつかの通貨を同時にポジションを取る場合、その通貨を何倍のレバレッジかけているかよりも、全体のレバレッジがどの位か知った方がいいと思います。例えばアメリカドル2千ドル、NZドル3千ドルで証拠金が10万円ならなら、(12万円×2+8万×3)÷10万=4.8倍。
おおまかにいうと、(100÷レバレッジ)の分為替が円高になれば、資金は0になってしまいます。
例えばレバレッジ1倍なら100÷1で100%の円高になれば資金は0に。これはその国が無くなるような事が無い限りはありえません。
レバレッジ2倍なら100÷2で50%の円高(1ドル120円→60円)になれば、資金は0に。
レバレッジ5倍なら100÷5で20%の円高(1ドル120円→96円)になれば、資金は0に。
レバレッジが10倍なら100÷10で10%の円高(1ドル120円→108円)になれば、資金は0に。
まあその前に、マージンコール(追証)になるでしょうが。外為ドットコムの場合損失が、証拠金の50%になったらマージンコール(追証)がかかるので、(50÷レバレッジ)の分為替が円高になれば、マージンコール(追証)です。
レバレッジ2倍なら、50÷2で25%の円高(1ドル120円→90円)になれば、マージンコール(追証)。
レバレッジ10倍なら50÷10で5%の円高(1ドル120円→114円)になれば、マージンコール(追証)。
マージンコール(追証)がかからないように、取引をしたい場合。
まず、その通貨・レバレッジでいくらでマージンコールがかかるか知る。
10万円の証拠金なら5万円の損失でマージンコール。
通貨ごとに自分でここまでは下がらないだろうという値を設定する。例えば米ドルは1ドル117円なのが100円は割らないだろうと考えるなら、1千通貨あたり17000円の損失の余地が有り。NZドルは82円なのが70円を割らないだろうと考えるなら、損失の余地は12000円。
この場合、米ドルは2千通貨、NZドル1千通貨で損失余地は1.7万×2+1.2万=4.6万円。
より短期取引で考える場合、短期間ではそんなには下がらないだろうし、その前にロスカットできるなら、もう少し多めの上の数字で計算してみればいいと思います。
米ドルは1ドル110円を割らないだろう、NZドルは77円を割らないと考えるなら、米ドル千通貨あたりの損失余地は7千円、NZドル5千円。
この場合、米ドル5千通貨、NZドル3千通貨のポジションをとった場合の損失余地は、7千×5+5千×3=5万円です。
自分の想定以上の円高にすすんでしまったら、マージンコール(追証)もしくはロスカットになってしまうので、余裕をもった想定をした方がいいと思います。
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- [2007/03/17 00:08]
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コメント
こんにちは
最近株価が今まで以上に、為替に敏感に反応するようになりましたよね。
FXで円売りのポジションは、スワップ金利を逆に払う必要が有り、信用売りの貸し株料等や先物の売りと比べて負担が大きいので中長期では向かないと思いますが。
今回みたいな短期で大きく動く場面では有りかもしれませんね。
土日以外は24時間売買できるので、NYがすごく大きく下げてる時に、ヘッジ売りする。そんなに監視できない場合は、1円下とかに逆指値の円売り注文を入れておいて、円高に一気に動いたらポジション取るのも手かもしれません。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=7203.t&d=c&k=c3&c=998407.o,USDJPY=X&p=s&t=3m&l=on&z=m&q=l
比較チャートを見てみたら、ここ1ヶ月は同じ様な動きなので、レバレッジを調整すればいけるかも知れません。
結果を見てからの後出しですが、
特に2月27日の夜から数日間の動きは、円キャリ解消の動きが強かったので、高金利のNZドルや豪ドルの落ち込みがおおきかったです。この場合NZドルとかを売れば良かったのかなと。
ここ最近は、アメリカ経済の先行き、あるいは円高になる事による輸出企業の業績ってところに目が行ってるようなので、米ドルを売るのがベターなのかなと。
FXはじめました。
わたしもやっとFXをはじめました。中長期の資産運用が目的でスワップ金利を狙って投資をはじめました。
自分の目的とするリターンと、投資金額、レバレッジの関係を考察する上で、このエントリーが非常に役に立ちました。ありがとうございました。
年利10%くらいを目標に、すこしリスクを取ってレバレッジをかけてみようと思います。
コメントどうもです。
今は、この記事を書いた当時よりもだいぶ金利が下がったので、記事更新したいと思いつつ、ずっと放置してしまってて、すみません。
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