毎月分配型はどのくらい損なのか 投資信託リターンの考察3 

毎月分配の投資信託が、年1回分配の投資信託と比べて不利だとよく聞くとは思います。
実際にはどの位の差が有るのでしょうか?

分配金を再投資しない場合
資金100万円、手数料と信託報酬は0、税率20%、分配率100%とする。
この時、年1回分配の場合の分配金と、毎月分配の場合の分配金を比べてみると、下の表のようになる。
詳しい計算方法は、続きを読むに書いたので、興味が有る人は読んでみてください。

利率 年1回分配金  毎月分配金×12  差額  利回りの差 
1% 8000 7964 36円  0.0036% 
2% 16000 15855 145円  0.0145% 
3%  24000  23676  324円  0.0324% 
4%  32000 31428  572円  0.0572% 
5%  40000  39112  888円 0.0888%
6% 48000 46728  1272円 0.1272% 
7% 56000  54280  1720円  0.1720% 
8%  64000  61767  2233円  0.2233% 
9%  72000  69190  2810円  0.2810% 
10%  80000  76552  3448円 0.3448% 
20%  160000  146971 13029円 1.3029%
30%  240000  212203  27797円  2.7797%
40%  320000  272987 47013円  4.7013% 
50%  400000  329914 70086円  7.0086%

利率が1%の場合、年1回分配の場合が8000円で、毎月分配の場合で7964円。その差は36円。利回りでいうと0.0036%の差となる。
これが利率5%となると、年2分配が40000円で、毎月分配が39112円。その差は888円、利回りで0.0888%の差となる。
信託報酬などちょっとした差でも、年0.1%以上の差になるので、意外と少ないと言えば少ない。
詳しい解説は後でするが、年1分配と毎月分配の差は利率の2乗にほぼ比例するので、利率が倍になれば差は4倍に、利率が10倍になれば差は100倍となる。
毎年継続しては不可能であろうが、1年間で40%位上がることもまれにある。利率40%で計算をすると、
年1分配が32万円、毎月分配が27万2987円、でその差が4万7千円・4.7%とはっきりとした差になります。


分配金を再投資する場合
まあ、分配金再投資をするのに、年1分配型と毎月分配型があったら普通、年1分配型を選ぶでしょうけど。
REIT投信など年1分配の選択肢がない場合もあると思うので、毎月分配である事による損がどの位かを見てみる。

資金100万円、手数料と信託報酬は0、税率20%、分配率100%とする。
この時、年1回分配で分配金を再投資した場合と、毎月分配で分配金再投資した場合の、1年間の利回りの差を比べてみると、下の表のようになる。詳しい計算方法は、続きを読むに。

利率  年1分配利回り  毎月分配利回り  利回りの差 
1%  0.8% 0.7993% 0.0007% 
2%  1.6%  1.5971%  0.0029% 
3%  2.4%  2.3935%  0.0065%
4%  3.2%  3.1885%  0.0115% 
5%  4.0%  3.9820%  0.0180% 
6% 4.8%  4.7742%  0.0258% 
7%  5.6%  5.5651%  0.0349% 
8%  6.4%  6.3546%  0.0454%
9%  7.2%  7.1427%  0.0573% 
10%  8.0%  7.9296% 0.0704% 
20%  16.0%  15.7287%  0.2713%
30%  24.0%  23.4108% 0.5892% 
40%  32.0%  30.9871%  1.0129% 
50%  40.0%  38.4668%  1.5332%

今回は、税金分が再投資できない事による損なので、概ね、分配金受け取りの場合の差の5分の1の影響となる。
利率を1%とすると、利回りの差は、0.0007%である。利率5%で0.0180%、利率8%で0.0454%の違いと、あまり大きな違いにはならない。
ただし、分配金再投資の場合は複利になるので、年月が長くなるとその差が増大する。
また大きく動いた年、例えば40%上がった時の場合は、1.0129%と1年間で1%以上の差となる。
(上の表は、税率20%のケースなので、税率が10%の場合は、その差は少なく約半分になります。)

まとめ
以上のように、年1分配か毎月分配かの違いだけで比較した場合、低利率の場合は気にする必要がない位の差で有る。
利率が5~9%ぐらい場合で、分配金再投資無しで年利回り0.1~0.3%程度の違い、分配金再投資有りで年利回り0.02~0.06%程度の違い。
利率が数10%となるとはっきりした違いとなり、年利40%とすると、分配金再投無しで年利回りで約4.7%、分配金再投資有りの場合で約1%の利回りの差となる。

ただし、毎月分配型のファンドを選んでいる人は分配金を再投資しない人が多いと思われる。
分配金を再投資する人と比べて、単利と複利の違いにより、リターンに差が出る。

また、毎月分配型のファンドは少ししか分配しないと1月当たりの分配金はわずかとなるので、利益はほとんど分配する(分配率100)ケースが多いと思われる。
利益をあまり分配しないファンドと比べると、分配率の差によりリターンに差が出る。

よって、毎月分配型のファンドで分配金を再投資しないケースと、分配率の低い年1分配のファンドで再投資をするケースを比べると、大きな違いとなる。

資金額100万円、期待利率7%、投資期間10年、買付手数料0%、信託留保額0%、税率20%でシミュレートすると、
毎月分配、分配率100%、分配金再投資なしのケースでリターンは、154万3000円。
年1回分配、分配率20%、分配金再投資のケースでリターンは、176万2000円。
利益額で比べると、1.5倍近い差となる。

当然、投資期間が長くなったり、利率が上がると、その差はさらに大きくなる。

↓続きを読むは、ただの計算の話です。興味ある人だけ読んでみてください。


分配金を再投資しない場合の計算
資金100万円、分配率が100%、税率20%、買付手数料・信託留保額0のケース
年1分配金受け取りの場合と、毎月分配金受け取りの場合の1年間の分配金を比べると、
年利1%とすると年1回分配のリターンは100万×1×0.8=8000円
対して毎月分配の場合のリターンは、まず1.01の12乗根(1.000829538)から1を引いて月利を出し。それに0.8をかけて税引き後月利をだす(0.00066363)。(もちろん12乗根なんて自分で計算できないので、Excelに計算させる。)
毎月の分配金は、100万×0.00066363=663.6円。それが12ヶ月なので、663.6×12=7963円(※小数の分配金はありえないけど)
1分配との差は8000-7963=368円。%でいうと、0.0037%の配当金の違いとなる。

複利だとイメージしにくいと思うの「毎月の分配金×12=年1分配金」として大雑把に考えてみましょう。
年1分配型と比べると毎月分配型は、毎月分配金を再投資していていたら増えていたであろう利益分を損することになる。
利率をR(%ではなく小数)とすると、毎月資金×R/12の分配金をだす。最初の分配金は11ヶ月運用できるので、R/12×(11/12)*Rの利益を生むはずであった。
11回目の分配金は、1ヶ月運用できるので、R/12×(1/12)・R。1回めから11回目までを足していくと、R/12×(66/12)*R
=(66/144)*R*R≒0.46×R×R
Rが1%なら、0.46×0.01×0.01=0.000046=0.0046% 
以上は「毎月の分配金×12=年1分配金」だが、実際は「毎月の分配金を12ヶ月複利運用=年1分配金」(税引き前)となるので、0.0036%と若干異なる。
利率の2乗にほぼ比例するので、利率が1%→2%と2倍になれば、年1分配金と毎月分配金の差額は2×2で4倍になる。
利率が1%→10%と10倍になれば、年1分配金と毎月分配金の差額は10×10で100倍になる。

分配金を再投資した場合の計算
分配率が100%、税率20%、買付手数料・信託留保額0のケース
利率1%として年1回分配と毎月分配の税引き後利回りの差を調べてみる。
年1分配の場合、分配金から税金を引いた分を再投資できるので、利回りは1×0.8=0.8%
毎月分配の場合、利回りはまず1.01の12乗根(1.000829538)から1を引いて月利を出し。それに0.8をかけて税引き後月利をだす(0.00066363)。
その月利で複利運用をすると、12ヶ月で0.79927%の利回りとなる。
年2分配と毎月分配の、利回りの差は0.0007%となる。

分配金を再投資しない場合は、分配金をまるまる再投資できず複利運用できない分だけ損をするが、
分配金を再投資する場合は、分配金のうち税金分の20%を再投資できず複利運用できない分だけ損をするので、
大雑把に言うと、分配金を再投資した場合は分配金を再投資しない場合と比べて、20/100で概ね5分の1の影響となる。0.46×R×R×1/5
≒0.09×R×R    Rが1%なら0.09×0.01×0.01=0.000009=0.0009% 
実際は、単利ではなく複利なので、0.0007%と若干異なるけど、概ね利率の2乗に比例する。
税率が10%なら、10/100で概ね10分の1の影響となる。


投資信託リターンの考察はほんとは先週で書き終わる予定だったのですが、書ききれなかったのであと2回ぐらい書きます。
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コメント

REITのファンドなど、毎月分配型以外のファンドがほとんど存在しないものもあるので、こういう考察はためになります。

見た感じ、信託報酬などコストの格差よりは、再投資した場合の損失は少なくて住むようですね。

毎月

順調にいけば、2万円くらいの分配金がありますが、もらってもどうするわけではなく普通預金に入るだけなんですがね。。。投資額がもし10倍なら(給与がわりになり)遊んで暮らせるな。なーんて夢がふくらみます(笑)そんな度胸はないけど。。。
受け取らない分配金分って、確定なのでしょうか?あとで(売却時)減ってしまったりしないのでしょうか?

新幹線さん
そうですね。純粋に毎月分配である事によるコストは意外と低いです。
ただ、私保有の米国REITファンドもどんどん分配金を出してくれてますが、毎月分配型のファンドは分配率が高いものが多いで、その分の考慮は必要だと思います。
それから、シミュレーターの数字は毎年一定の利率の場合の結果なので、変動(σ)が大きめのファンドは、年1分配と毎月分配でもう少し差が開きます。

ダモさん
夢のキャッシュフロー生活ですね。
受け取らない分配金は、売る時まで確定ではないですよ。それまでにファンドの基準価格が下がれば下がりますし、基準価格が上がれば当然上がります。

ヨクシ(やはり:韓国語)

じゃあ、もらうもんもらっとかないと、あとで下落したら取りっぱぐれてしまうリスクがあるんですね。

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私はグロソブ持ってます。分配金で千円ぐらいの金額、右も左も分からない最初の時に買ったものですので、見のがしてください。グロソブの半年分の運用報告書が送られてきました。実は私グロソブの運用報告書読むの結構
  • [2007/06/26 22:46]
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