円安 為替差益銘柄の見つけ方。 ~私の場合 

円安が進んでますね。今年の年初から見てみると、
米ドル119.36→123.36 (+3.3%)
ユーロ156.69→168.09 (+7.3%)
豪ドル94.16→106.1 (+12.7%)
カナダドル101.5→117.6 (+15.9%)

輸出企業など、海外販売比率が高い企業にとっては当然これは、為替差益によりプラスの要因となります。
というわけで、今回は、私なりの為替差益で恩恵を受けそうな企業の探し方を書いていこうと思います。


STEP1、海外販売比率が高い企業を探す   

まずは、自分が思いつく企業で、海外での販売比率が高い(高そう)な企業にはどんなところが有るか、いろいろ書き出してみる。
例)自動車(ホンダ・トヨタ・日産etc.)、電機・精密機械(ソニー・東芝・松下・キヤノンetc.)

また楽天証券スクリーングには「海外販売比率」という項目が有るので、楽天証券に口座を持っている人は、スクリーニングを使うと便利だと思います。
実際に、楽天証券のスクリーニングを使ってやってみると、

例えば業種を輸送用機器で時価総額順にスクリーニングすると、
海外販売比率は、トヨタ74.33%、ホンダ84.84%、日産自動車78.94%などとなっています。
また、業種指定なしに海外売上高比率順にスクリーニングすると、
宮越商事100.0%、協栄タンカー100.0%、三井海用開発98.8%などと続きます。上位に入っている企業では他には日本ではちょっとマイナーですがウォルマートなどへの低価格のビデオやテレビを作っている船井電機が90.33%で12位、マブチモーターが88.54%で14位、商船三井が88.53%などとなっています。

ハイテクや自動車が海外販売比率が高い業種として有名です。その為円安に株価が反応するところが多いです。そういったところを狙ってみてもいいですし、逆に業種的には海外販売比率が高そうでなく注目されてないけど、実は海外販売比率が高いって企業を探してみるのもいいと思います。



STEP2、決算短信などでその内訳を見て、為替差益がどのくらいになるか計算する

スクリーニングなどで、気になった企業がありましたら、今度は詳しくその中身を見てみましょう。
まずは決算短信を見るのがいいと思います。EDINETで有価証券報告書を見てもいいと思いますけど、私の場合はは企業のホームページで決算短信を見る方が使いやすいです。

たいていの企業の場合、ホームページのIR(投資家情報)ページに掲載されていると思います。たいていの場合、企業名+IRで検索すればすぐ出てくると思います。例えば「トヨタ IR」でググれば こんな感じ 
今時期だったら、平成19年3月期の決算を見てみる。トヨタは細かくファイルに分けているのでちょっと解かりにくいですが、決算要旨所在地別セグメント情報が載ってます(連結3ページ)。
これを見ると、
日本が売上高は14兆8,153億円(47%)で営業利益1兆4,572億
北米が売上高は9兆297億円(28%)で営業利益は4,496億円
欧州が売上高が3兆5,421億円(11%)で営業利益が営業利益は1,373億円
アジアが売上高は2兆2,256億円で営業利益は1,176億円
その他が売上高は1兆9,227億円で営業利益は835億
これで売上や利益をあげている地域の大体の割合は掴めると思います。

ところで日本の売上高が47%を占めていて、最初に楽天のスクリーリングの海外売上高比率74.33%(日本は100-74.33=25.67%)と一致しません。これは、セグメント情報は連結会社の所在地によるからだと思います。47-25.67%分はおそらく日本からの輸出にあたると思います。

<追記 決算要旨の連結23ページに海外の販売比率が書いてました。↓下の計算はこっちの数字をを使った方がいいと思います>

次に、今期平成20年3月期の想定為替レートをチェック。業績予想と一緒に書かれている事が多いですが、トヨタの場合は決算参考資料に載っています。これを見ると$が115円、ユーロが150円を想定しています。

・想定為替レートと現状の為替レートを比較して、米ドルで何倍・ユーロで何倍になっているか計算 (1)
・売上のうち、日本円、米ドル、ユーロそろぞれの通貨の割合を計算 (2)
・それぞれの通貨ごとに、(1)×(2)を計算。日本円は(1)は当然1。 (3)
・(3)の数字を再び足し、100%をどの位上回るか見る。(4) 

例えば、ユーロが1年を通して165円のレートを維持したとしたら、165÷150=1.1倍の為替差益による売上増が見込めます。
ヨーロッパの売上比率は前期が11%だったので今期も同じだと仮定すると、11%×1.1=12.1
アメリカの売上比率は28%ですが、アジアなどでの取引でも米ドルの影響を受けると事が多いと思うので米ドルの比率を100-47-11=42%として計算してみる。米ドルは120円として計算してみる。米ドルは120÷115=1.04倍。42%×1.04=43.7
で日本分が47%(ただし、前述したように日本からの輸出分があるのでもっと比率は小さくなると思いますが、ここでは控えめに見積もってみる)
そのまま、足すと、12.1+43.7+47=102.8で、為替差益だけですくなくても2.8%の増収になります。

<追記 所在地別セグメントではなく、海外販売比率の数字を数字を使って同じように計算すると、3.6%の増収になります>

為替による営業利益への影響はそこまで単純計算できなので難しいのですが、一般的には為替差益による売上の増収率よりも、営業利益の増益率の方が高くなる傾向あります。つまりこの場合営業利益の為替差益分は+2.8%以上になる可能性が高いって事です。

練習としてホンダもやってみると、
「ホンダ IR」でググり、IR資料室から決算報告書を選び、決算報告書を選ぶ。そして所在地別のセグメント情報を見てみる。ホンダの所在地別のセグメント情報はより丁寧で、外部顧客とセグメント間の取引との2つに分かれてかかれています。セグメント間の取引は部品などを含めての輸出入だと思うので、すくなくても外部顧客との海外セグメントでの売上は、為替差益の恩恵を受けることができると思われる。
想定為替レートは時期の見通しに載っており、上半期で1ドル116円、1ユーロ152円、通期では1ドル115円、1ユーロ150円となっています。

さらに練習で任天堂も見てみると、「任天堂 IR」でググり、IRページで「平成19年3月期 決算短信」を掲載しました。をクリック。13ページに所在地セグメント情報、19ページに想定為替レートが載っている。

できたら、大雑把でいいのでいろんな企業の決算短信を見てみるのをおすすめします。慣れてくるとどこにどういった内容が書いてあるかの検討がついてくると思います。自分が以前から投資している企業ならインターネットではなく、企業から郵送でおくられてくる事業報告書なんかを読んでみても書いてありますよ。全部は理解できなくても、ちょっとづつ部分的にでもこういうのを見るのに慣れるといいと思います。

またいろいろな企業を見ていると、想定為替レートが堅実に見積もっているところが見つかるかもしれません(中には1ドル105円ってところも)。
例えば想定為替レートを1ドル112円に設定しているところなら、112→120で業績予想よりも1.07倍の増収となる計算です。

以上のような見方で大まかにどのくらいの為替差益があるかは計算できると思います。

もちろん、1ユーロが150円→165円と1割上がっても、売上数量が予定よりも1割以上ダウンしていたら意味ないですよ。そういう意味では、毎月、日本やアメリカの新車販売台数が発表される自動車業界なんかは、予測がたてやすいです。
売上で良さそうで且つ為替差益の恩恵を受けれるところを探してください

大雑把にでも、為替差益によって1株利益がどの位になるか計算。それに自分が適当だと思うPERをかけて、自分なりの理論株価を計算する。
売上と違い利益の正確な数字の計算は無理だと思うので、1株利益がどの位になるかPERがどの位になるかは、いくつかのパターンでやってみて、理論株価は○○~○○位かなと幅を持たせた方が捉えた方が融通がきくと思います。


STEP3、為替差益がどのくらい株価に折り込まれているかチェックする

ところで、私の日本株ポートフォリオは自動車など海外販売比率の高い企業が多めなのですが、今年前半は日経平均TOPIXに大きく負けていましたが、ここ1ヶ月半位は調子がいいです。企業の為替差益を折り込む動きになっていると思います。

チャートや株価の時系列データなどから、決算発表からこれまででどの位株価が上がっているかのチェックは必要です。
そして、現在の株価と、STEP2で自分で計算してみた理論株価とを比較してみる。

また、個人投資家の投資比率の高い銘柄はYAHOO掲示板なんかも参考になります。為替差益の話題や強気なコメントが多く並んでいれば既にある程度折り込まれてしまっている可能性が高く、逆に株価の低迷を嘆くコメントが並んでいるようなところは、まだ折り込まれていない可能性が高まります。ただし、業績・売上数量自体がよくない会社はダメですよ。

それから、会社四季報QUICKコンセンサスと企業の業績予想を見比べるっていうのもひとつの方法です。
あるマネー雑誌に「上方修正する可能性が高い企業を見つける方法として、企業の業績予想よりもQUICKコンセンサスが良い企業を探す」というのが載ってました。確かに上方修正する可能性は高いかも知れませんが、上方修正するだろうって事もある程度株価に折り込まれてるんじゃないかと私は思います。
逆に、四季報やQUICKコンセンサスの数字が会社予想と同じぐらいの企業の方が、実際に決算が良かった時のインパクトが大きいんじゃないかと思います。



STEP4、為替差益以外の要素も当然チェックする

STEP2や3でも書きましたが、いくら為替差益のメリットがあっても、それ以外が駄目だったら良い決算にはなりませんよ。
なので当然、その企業が為替差益以外の面でも投資に値する企業かどうかのチェックは必要です。
逆に、これを一番最初にチェックして、その後にSTEP1からSTEP3への順番でもいいと思います。

まとめ
STEP1、海外販売比率が高い企業を探す

STEP2、決算短信などでその内訳を見て、為替差益がどのくらいになるか計算する
実際に決算短信などを見て、事業所別セグメント情報と想定為替レートをチェック。有れば海外販売比率も。
そこから、どの位の為替差益になるか計算する。

STEP3、為替差益がどのくらい株価に折り込まれているかチェックする
株価の動きを見て、どのくらい株価に折り込まれているかを見る
自分で計算した理論株価と現在の株価との比較
掲示板などで、他の人がどう思っているかを見る
四季報やQUICKコンセンサスの数字と会社予想の数字を見比べる

STEP4、為替差益以外の要素も当然チェックする
その企業が、為替差益以外の面で投資に値するかチェックする。
逆に最初にこれをチェックして、その中からSTEP1から3まで見ていってもいいと思います。


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コメント

>為替による営業利益への影響はそこまで単純計算できなので難しいのですが、一般的には為替差益による売上の増収率よりも、営業利益の増益率の方が高くなる傾向あります。つまりこの場合営業利益の為替差益分は+2.8%以上になる可能性が高いって事です。

ここがよく解らなかったのですが。
どうして、売り上げと違って利益は計算しずらいんですか?
また、なんで、売り上げよりも利益の方が為替の影響を受けやすいのですか?

初心者の質問で申し訳ございませんが、教えてください。

タカシさん コメントありがとうございます。

たまに自分の興味の趣くままに難しめの事も書いちゃいますが、基本的には初心者の人に向けて書いてるブログなんで。
ちょっと検索すれば済むような質問はあれですが、今回みたいな質問は大歓迎です。

レスが長くなりそうだったので、記事にしました。↓
http://kabuohazimeru.blog22.fc2.com/blog-entry-284.html

またお気軽にコメントください。

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