機械受注とTOPIXの関係 

機械受注
代表的なマクロ経済指標の一つ。

内閣府経済社会総合研究所が月次で発表している指標で、主要機械等製造業者を対象とし、それらの企業の受注額を集計した統計。

各企業が設備投資のための機械を機械メーカーに発注する段階をとらえるので、設備投資の動向をしることができる。機械受注は、実際の設備投資より6カ月から9カ月先行する指標だといわれている。株式市場においては、特に、設備投資関連の銘柄(例えば半導体製造装置や機械等)の株価動向を考える上では重要である。

なお一般には、船舶・電力を除く民需が使用される。これは、船舶及び電力会社からの受注は、規模が大きく、かつ不規則な動きを示すことから投資意欲の実勢をうかがうには、除くことが適当であろうと考えられているからである。
 

                             野村證券証券用語解説集より

なお、株式相場で注目されるのは船舶・電力を除く民需で、これはコア機械受注とも呼ばれます。
※以後この記事でコア機械受注と書いてある場合は「船舶・電力を除く民需」を指します。

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ザラ場中の午後2時発表だった頃ほどではないものの、まだまだ株価への影響が大きい機械受注。その結果によりTOPIXが1%以上動くこともよく有ります。どちらかというとデイトレードやスイングなど短期投資の人の方が気にする指標な気がしますが、
今回は、機械受注とTOPIXとの中長期での動き・関係を見ていきたいと思います。

機械受注のデータは内閣府のサイトで見る事ができます。ありがたい事に過去データのExcelファイルを公開してくれていますので、これを使わせていただきます。なお株の短期取引で機械受注の数字を知りたい場合は、ロイターなどで速報がすぐ流れるので、楽天証券のマケスピなどトレーディングツールのニュースで見る事ができます。

機械受注(全体)とコア機械受注(船舶・電力を除く民需)、TOPIX(月末値)の比較チャート。1991年1月のそれぞれの数値を100としました。
機械受注は1ヶ月ごとのブレの大きさがよく指摘されますが、たしかにちょっとギザギザなチャートになっています。コア機械受注の方が機械受注よりも、若干ですがブレが小さい感じです。

コア機械受注1991年からの中長期的な動きを見ていくと、バブル崩壊が続くなか下がっていき1993年が一回目の底。
1996年頃までは上昇しました。その後アジア経済危機が起り、ロシア危機・大手ヘッジファンドLTCMが破綻した1998年が2回目の底。
ITバブルだった2000年初めに向け上昇。ITバブルが崩壊し、コア機械受注も減少2002年頃が3回目の底。
2006年初めまでは上昇。その後足踏みする感じで現在にいたっています。ある程度、景気の流れに即しているのかなと思います。

TOPIXを見てみると、1993年1995年1998年2003年はじめと4回底が有りました。そして現在下落しており、5回目の底を探りにいってます。
コア機械受注の底と結構似ていますね。景気と株価の連動性を感じます。
1995年の底だけは株式相場だけが下落しています。この年は円高ドル安が進み1ドル=79円75銭の最高値をつけた年です。その後為替は円安ドル高方向へ反転し、TOPIXも急反発しています。

また、3つのチャートを見比べると、機械受注(全体)とコア機械受注では、コア機械受注の方がTOPIXの値動きに近い感じがします。
せっかくExcelデータがあるので、相関関数(1に近いほど動きが似ている)を計算してみたところ、
機械受注(全体)とTOPIXの相関関数は0.478、コア機械受注とTOPIXの相関関数は0.513でした。
ちなみに日本株と外国株の相関関数は0.3程度なのでそれよりは強い相関です。※相関関数は統計をとる期間によって数字は上下します。

相関が高めなので、機械受注を見て株を売買すれば良いのでは?
グラフをよく見てみると、1991年の下落、1992年の反発、1996年の反落、1998年の反発、2000年の下落と、コア機械受注よりもTOPIXの方が先行して動いています。2003年の反発だけは同時か機械受注の方が反発が早いぐらいですが。
さらに機械受注の発表は、1ヶ月以上のタイムラグがあります。例えば1月分は3/10の発表でした。タイムラグを考慮して1月の機械受注と2月の株価というように1ヶ月ずらして、コア機械受注とTOPIXの相関関数を計算すると0.496。2ヶ月ずらすと0.462

反対に1月の株価と2月のコア機械受注というように1ヶ月ずらして相関関数を計算すると、0.525。2ヶ月ずらすと0.533。3ヶ月ずらすと0.529。
実際の設備投資より6カ月から9カ月先行する指標だといわれる機械受注よりも、株価はさらに2・3ヶ月先行する傾向が有るようです。
もしこの関係が逆だったら、機械受注を見て株を売買するってのは有る程度有効そうな感じなんですけどね。残念!

まとめ
中長期的に見ると機械受注も株価も、(先行気味に)景気変動の流れに沿って上下しています。その結果、機械受注(コア機械受注)とTOPIXは似た動きとなる。
機械受注の方が毎月のバラつきが大きくギザギザのチャートになる。
一方、底と天井の振れ幅はTOPIXの方が大きい。株価は上がる時は大きく上がり、下がる時は大きく下がる。
機械受注は、実際の設備投資よりも半年程度先行して動く。
機械受注よりも株価の方が先行して動く傾向が有る。
1995年のケースのように、機械受注と株価の動きが一致しない事も有る。
現在のところ機械受注(2008年1月)はそれほど落ち込んでないようです。さてこれからどうなっていくんでしょう。


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1─3月機械受注見通しは達成の可能性高まるが設備投資に楽観論なし=民間エコノミスト (ロイター)
3/10に発表された2008年1月のコア機械受注は前月比+19.6%と大幅なプラスでした。
記事では反動減について触れられています。
過去のコア機械受注と前月比のデータです。前月比10%を越えるプラスの月は赤字にしています。
これを見ると、前月比10%以上プラスの月の翌月は、マイナスになっている月がほとんどです。翌月がマイナスになっていないケースは逆にその前月が大きくマイナスでその反動もあって10%以上のプラスとなっていた時です。
2月の雇用統計がエコノミストの予想通り2桁減になるかは分かりませんが、マイナスになる可能性は高そうですね。まぁだからどうしたと言われたら、どうもしないですけど。

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