プライベートブランド「PB」とナショナルブランド「NB」 

NB(ナショナルブランド):全国的に有名なメーカーのブランド
PB(プライベートブランド):大手卸、大手小売チェーンが開発したブランド


日経MJ(流通新聞)を読んでいると、ここ数ヶ月「PB」に関する記事が目につきます。日経MJの日経テレコン21でも読む事ができますが、「PB」で検索したら、たくさんの記事がヒットすると思います」

5月28日 ドッグフード市場価格に敏感値上げ策明暗 より抜粋

原材料高の影響による機にペットフード市場が動いている。

ユニチャーム(主なブランド 愛犬元気 銀のさら)は、出荷価格を据え置きながら容量を10~20%削減する実質値上げをした。
同社ではそれにあわせて、
1、商品内容の見直しとパッケージの刷新(単なる値上げではなく、新しい価値を加えた印象を消費者に与えた)
2、JANコードの変更(新商品を一律に店頭へ行き渡らせることができた)
3、小売の不安解消(マーケット分析で)
の3つの施策をし、犬用ドライフードに限れば、逆にシェアを伸ばした。

一方シェアトップのマース(主なブランド ペティグリー シーザー等)は、あえて消費者に分かりやすい値上げを選択した。
取引先の手間を省くほうが値上げが受け入れられるとの判断で、JANコードも変更しなかった。小売を支援する狙いでメーカー主導の値上げを強調した新聞広告を出した。だが、値上げ後も日経POSデータでは3.5%しか価格が上昇しておらず、値上げによる消費者離れを懸念する小売側の不安感を一掃するまでにはいたらず、店頭価格に反映されていないのが実情。

袋詰めで容量に融通が利くドライ商品と違い、缶製品で容器サイズが決まっているウェットタイプ市場。容量を変更しにくいため、実質値上げの手法を使えない事情もあり、PBが台頭するといった異変も起きている。
犬用の缶詰でPBの社は、1年前の約2倍になる13.5%まで急上昇している。NBの値上げによって、PBの割安感が支持された。

この記事は個人的に興味深かったです。
小売の現場からすると確かに、JANコードを変えないで値上げの方が楽です。JANコードを変えての商品刷新なら、旧商品を値下げ商品を値下げ処分したり、返品したりする手間かかりますし。ただ、楽か手間かだけでなく、売上がどうなるかの方が気になるでしょうけど。
消費者としては、単純な値上げよりは、容量削減による実質値上げの方が受け入れやすい。値上がり前よりも付加価値をつける事ができるとより納得できるといったところでしょうか。

PBについては、メーカーではなく小売側がリスクを負う一方、利益率が比較的高めなので価格を安くできるのがメリットです。
一例を挙げると、

 犬用缶詰  A(某NB)  B(某NB)

 C(某PB)

 原価  79円  87円  48円
 販売価格  108円  128円  68円
 荒利  29円  41円  20円
 荒利率  26.9%  32.0%  29.4%

 洗濯洗剤 A(某NB)1.1㎏ B(某NB)1.1㎏ C(某PB)1.2㎏
 原価  300円  260円  165円
 販売価格  348円  298円  198円
 荒利  48円  38円  33円
 荒利率  13.8%  12.8%  16.7%


犬用缶詰の方は、PBのCよりもNBのBの方が、荒利率が高めですが、PBは値上げが出来ていないからという事情もあるかと思います。
洗濯洗剤の方は、PBのCの価格が断トツで安いですが、荒利率も高いので、荒利はそれほど小さくは有りません。NBはチラシなどで他店との競争で安売りすれば利益率はさらに低くなりますし。
消費者の側からすると、NBよりもPBの方がイメージが良い(洗剤などでは機能も良い)ですが、PBの方が中身に対して割安だと感じればPBを選択する事も有ります。選択肢として価格の安いPBは有る程度の需要が有るので、小売側としても他店の競合上必要になってくる。顧客が価格にシビアになっている今は特に。


コンビニは、NBを基本的に定価扱うと共に、弁当やお茶などの食品を中心にPB商品を扱っています。セブンイレブンの場合でオリジナル商品の割合は約52%になるとの事。このオリジナル商品の力が、コンビニの力と言っていい程重要です。
コンビニは、基本的に積極的に安売りをしてきませんでした
(余談ですが、北海道の消費者はお得志向が強いので、北海道ローカルのコンビニのセイコーマートでは、安売りしていますし、早くからポイントカードを発行していました。また、セブンイレブンではnanacoができる以前に、北海道でだけポイントカードを発行していました。)

しかし、セブンイレブンではイトーヨーカドーと共通の比較的低価格のPB「セブンプレミアム」を導入しました。お茶なんかではもう少し前から価格の安いPBを導入してますね。

一方ローソンでも、105円のPB「バリューライン」の投入を決めています

セブンイレブンではnanacoを導入しましたし、ローソンでもポイントカードを発行するようになりました。
大手コンビニでも、お得さを打ち出す必要に迫られる世の中になってきているようです。
原材料高による相次ぐ値上げや景気の関係からか、全国的にお得志向が強くなってきているんですかね。ここのところ「生活防衛」との単語もよく目にするようになりました。


小売大手のイオンでは、PBの「トップバリュ」の育成に力を入れています。トップバリュの場合、有る程度ブランド化できていて、PB=安かろう悪かろう ではないところをイメージとして与えるのに成功できているのではないかと思います。
傘下におさめたダイエーへの供給を進める(ダイエーのPB「セービング」は廃止)など、さらなる規模のメリットを追求しています。

ドラッグストア業界を見てみると、
マツモトキヨシでは、マツモトキヨシ以外の店名での出店を認めるなどの緩いフランチャイズ契約を行っています。本部仕入れにより原価が下がる事とプライベートブランドの供給が主です。
ツルハでは、以前はイオンの「トップバリュ」を結構扱っていたのですが、最近見かけなくなりました。 一方で独自のPBを年間200品目増やしていく方針とのこと。


低価格で供給できるプライベートブランド(PB)は、今のご時勢、戦略上ますます重要になってきている
PBはある程度規模のメリットが必要なので、大きなところが有利。規模が小さいところは、合併したり共同で開発したり、大手の傘下に入り供給をうけたり。
PBは差別化にもつながりますし、有る程度規模が大きくなればうま味がある商品なので、ツルハの例のように有る程度規模が大きくなれば、独自のPBをという動きもあります。

小売り業界を見る時は、PBについても見てみるとちょっと面白いんじゃないかと思います。

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