ディフェンシブ銘柄 

野村AM証券用語集 ディフェンシブ銘柄より引用

ディフェンシブとは防御的という意味です。成長株や景気敏感株のように、好景気局面で投資成果の良い銘柄群ではなく、景気停滞局面で着実に相対パフォーマンスが期待できる銘柄群を指します。景気が悪化して金利が下がる局面で活躍する金利敏感株や、景気動向にあまり左右されない医薬品株などを指します。

不景気になれば物の消費は落ち企業業績は落ち込みますが、毎日食べるものや薬、電気やガスなどは不景気でも消費量があまり減らないとの考え方ですね。

ピーターリンチの株で勝つ 優良株(p128~129)より引用

優良株は不況時にも強いので、くるべき不況に備えていつも私のポートフォリオには組み入れられている。一般にケロッグ、コカコーラ、スリーエム、P&Gなどは市場が悪い時には頼もしい銘柄である。倒産などしないし、すぐに良い評価を取り戻して株価も回復する。どんなに景気の状態が悪くなっても、人々はコーンフレークを食べ続ける。旅行の回数を減らし、新車の購入を延期し、衣服の購入を減らして、レストランでロブスターを注文する事は減らしても、コーンフレークは変わりなく食べるだろう。

生活に欠かすことができないブランド力の有る商品をつくっている優良企業は、ディフェンシブ銘柄ともなります。

それでは、実際に日本のいくつかのディフェンシブ銘柄と呼ばれる企業の業績を見てみましょう。

(数字は会社四季報夏号より ほんとはここ10年位のデータを見た方が、もっと分かりやすいでしょうが。)

武田薬品 売上 売上高
伸び
営業利益率 利益率
伸び
営業利益 利益伸び

連03. 3

1,046,081

 

29.7%

 

310,686

 

連04. 3

1,086,431

3.86%

34.2%

15.17%

371,633

19.62%

連05. 3

1,122,960

3.36%

34.3%

0.30%

385,278

3.67%

連06. 3

1,212,207

7.95%

33.2%

-3.15%

402,809

4.55%

連07. 3

1,305,167

7.67%

35.1%

5.72%

458,500

13.83%

連08. 3

1,374,802

5.34%

30.8%

-12.39%

423,123

-7.72%

連09. 3予

1,570,000

14.20%

15.3%

-50.33%

240,000

-43.28%


売上は一貫して上昇、営業利益率は03~08年まで30~35%程度で安定していますね。今年度の予想で営業利益率が大幅に下がっていますが、これは不景気だからというより特殊な要因によるものの様です。詳しく知りたい人はIRページの決算関連を読んでみてください。

アサヒ
ビール
売上 売上高
伸び
営業利益率 利益率
伸び
営業利益 利益伸び

連04.12

1,444,225

 

7.0%

 

101,272

 

連05.12

1,430,026

-0.98%

6.3%

-10.00%

90,248

-10.89%

連06.12

1,446,385

1.14%

6.1%

-2.81%

88,713

-1.70%

連07.12

1,464,071

1.22%

5.9%

-3.17%

86,955

-1.98%

連08.12予

1,511,000

3.21%

6.3%

5.86%

95,000

9.25%

ハウス
食品
売上 売上高
伸び
営業利益率 利益率
伸び
営業利益 利益伸び

連03. 3

191,413

 

4.1%

 

7,810

 

連04. 3

188,384

-1.58%

3.4%

-16.59%

6,411

-17.91%

連05. 3

184,981

-1.81%

3.8%

10.48%

6,955

8.49%

連06. 3

191,591

3.57%

3.8%

0.99%

7,275

4.60%

連07. 3

232,478

21.34%

3.6%

-6.43%

8,260

13.54%

連08. 3

233,826

0.58%

3.8%

6.45%

8,844

7.07%

連09. 3予

234,000

0.07%

4.1%

9.60%

9,700

9.68%


アサヒビール、ハウス食品ともに営業利益率が安定していますね。市況関連株のそれと見比べると違いが分かりやすいと思います。

東京電力 売上 売上高
伸び
営業利益率 利益率
伸び
営業利益 利益伸び

連03. 3

4,919,109

 

10.6%

 

521,406

 

連04. 3

4,853,826

-1.33%

10.1%

-4.95%

489,004

-6.21%

連05. 3

5,047,210

3.98%

11.2%

11.37%

566,304

15.81%

連06. 3

5,255,495

4.13%

11.0%

-2.27%

576,277

1.76%

連07. 3

5,283,033

0.52%

10.4%

-4.90%

550,911

-4.40%

連08. 3

5,479,380

3.72%

2.5%

-76.13%

136,404

-75.24%

連09. 3予

5,850,000

6.76%

-0.5%

-120.60%

-30,000

-121.99%

売上は一貫して伸びています。営業利益率は03~07は安定していますが、前年度と今年度予想では大幅に落ち込んでいます。これは景気がどうこうというよりは原油などの燃料高による影響ですね。

JR東日本 売上 売上高
伸び
営業利益率 利益率
伸び
営業利益 利益伸び

連03. 3

2,565,670

 

13.4%

 

343,095

 

連04. 3

2,542,297

-0.91%

13.8%

3.37%

351,419

2.43%

連05. 3

2,537,480

-0.19%

14.1%

2.22%

358,534

2.02%

連06. 3

2,592,393

2.16%

15.3%

8.14%

396,099

10.48%

連07. 3

2,657,345

2.51%

16.1%

5.44%

428,097

8.08%

連08. 3

2,703,563

1.74%

16.5%

2.21%

445,159

3.99%

連09. 3予

2,760,000

2.09%

16.7%

1.22%

460,000

3.33%


JR東日本も営業利益率が安定(しかも上昇気味)です。こちらは燃料高がむしろプラスとなっているかもしれませんね。

上記5社とTOPIXとのこの1年の比較チャート [Finance@Nifty]
5社中4社がTOPIX(黒い線)を上回っています。TOPIXがこの間-20%だったの対して、アサヒビールは+20%、東京電力は+5%、JR東日本は-3%、ハウス食品は-5%、武田薬品は-28%ぐらいです。5社の平均では-3%か-4%程度です。下げ局面においてTOPIXを上回る成績を上げています。まさにディフェンシブです。ただし、他と比べて相対的には良い(落ち込みは少ない)ですが、絶対値がプラスとは限りません。

「虎年の獅子座」東京株式市場マーケット・コメント の2008年08月04日(月)の記事より引用。

● 昨年7月最終週から8月2週に掛けての「バリュー崩落」相場から学んだことは、違和感を感じる相場になった場合は素直に一度撤退、ということ。ただ、フルインベストメントの運用担当者はそれは不可能。そうすると、リスクを落として防空壕で頭を屈めておくって感じでしょうか。皆がそう感じるだけに、電力・ガス、テレコム、医薬品、食料品などのディフェンシブ、そしてβ値が低い銘柄に物色が群がる結果になります。まとまりなくてスミマセン。まとめて書けるほど、まだ状況が見えてこないというのが正直なところなんです。まぁ、この手のことは、3ヵ月後ぐらいにならないと謎解きすら出来ないのです(^^;。 

不景気における業績の落ちが少ないという中期的な側面だけでなく、フルインベストの運用担当者(例えばアクティブファンドの運用担当者)が、下落局面で少しでもマイナスを減らす為に、短期的にディフェンシブな銘柄に集まるという事は有るようです。

ディフェンシブ5社とTOPIXとのこの半年の比較チャート [Finance@Nifty]
これ見て興味深いと思ったのは、4月から5月の株価が戻りを試した場面で、ディフェンシブ5銘柄がTOPIXより相対的に悪かったばかりでなく、銘柄によってはマイナスになっている銘柄もあることです。
今年の7月下旬から8月は小型株中心に大きく下げましたが、ディフェンシブ銘柄は逆に強い値動きでした。ここらへんは、業績うんぬんというより数週間から数ヶ月の比較的短いスタンスの投機(相対的にディフェンシブ銘柄の株価が良いだろうとの想定の取引)も入っているのかと思います。

まとめ
景気によって利益が大きく変動する業種とあまり変動しない業種がある。
不景気になれば物の消費は落ち企業業績は落ち込みますが、毎日食べるものや薬、電気やガスなどは不景気でも消費量が減りにくい。ただし一口に不景気と言ってもその時々で状況は違いますので、ディフェンシブと呼ばれる業種や企業でも業績が大きく落ち込む事もあります。

不景気でも業績が落ち込みにくいので、不況時(それより若干先行する株価下落時)には相対的にディフェンシブ銘柄に人気が集まる。そのため景気敏感株やTOPIXに対して相対的にプラスになる可能性が増えるが、絶対的にプラスになるとは限らない。
物色先として、あるいはフルインベストメント運用の逃げ先として、短期的に人気になる事もある。ただし短期的な人気はそれが終われば反動も有ると思われる。
また、景気回復期(それより若干先行する株価回復期)には、景気敏感株や成長株などと比べて相対的に低いパフォーマンスとなる可能性の方が高い。ディフェンシブでも業績の良い企業はTOPIXよりも良いパフォーマンスのところもあるでしょう。

※ディフェンシブ銘柄の売買推奨や、記事で取り上げた会社を推奨しているわけではありませんよ。念のため。

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コメント

コーンフレークは

食べないですが、朝食をご飯にする家庭がふえているらしいですね。
パンは値上がりしてないようですが、バターが売ってないですからね。ローソン100で売ってた、ホイップバター(ホテルの朝食バイキングに置いてあるような1回使いきりの)がお気に入りだったんですが、今、売ってないんです( ノД`)シクシク…

ダモさん こんにちは。
パンは値上がりしてませんか?まぁ何百円も上がったわけではないので、それほど影響ないかもしれませんが。
バター、最近は近所のスーパーで見かけるようになりましたけど、言われていみたらホイップバターは見てないかも。

こんにちは

本文とは無関係で恐縮ですが、
読書家のstaygoldさんへ
雑誌ですが、
http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/2008/0906/index.html
投資の科学の雑誌版ような話ですが、例が多岐にわたっており、なかなか面白かったです。
経済物理学なる分野があるんですね。

すみパパさん こんにちは。
面白そうだったんで、今日仕事帰りにツタヤに寄って買ってきました。
まだ読んでませんが楽しみです。

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