固定費・変動費と損益分岐点 〜ビジネスモデルを数字で見る2
個人的趣味な記事です。読むのが面倒な人はまとめだけ読んでください。
損益分岐点 [Wikipedia]
↑経営の本を読んでいるとよく上記のような図と説明が載っています。
↓もっと詳しいバージョン
損益分岐点分析(1)固定費と変動費を見極める [IT PRO]
損益分岐点
|
固定費と変動費 [Wikipedia]より引用 「変動費」は売上に(ほぼ)比例して増加するが、「固定費」は売上に関係なくかかる(極端な話、仮に売上がゼロでも固定費はかかる)。売り上げで固定費をカバーして初めて利益計上が可能となる。 変動費には、例えば、原材料費、仕入原価、外注費などが該当する。 一方、固定費の代表は人件費(厳密には歩合給等は変動費とみなされる)である。その他に事業を営むための設備関係の費用、例えば減価償却費、リース料、不動産賃借料や、支払金利など多くの費目が含まれる。 単位あたりの売上からそれに要する変動費を差し引いたものが「限界利益」と呼ばれる。一個(一単位)売り上げるのに直接要した費用を差し引いた額と考えればわかりやすい。このため、「粗利」とも呼ばれる。限界利益の積み重ねで固定費をカバーして初めて利益計上が可能となる。 |
利益=売上-総費用=売上-(変動費+固定費)
もしくは
利益=限界利益-固定費=(売上-変動費)-固定費
見ての通り、()をとれば同じ事です。
単純なモデルとして、下のような例を考えてみましょう
| 売上 | 0 | 100 | 200 | 300 | 400 | 500 | 600 | 700 | 800 | 900 | 1000 |
| 変動費 | 0 | 50 | 100 | 150 | 200 | 250 | 300 | 350 | 400 | 450 | 500 |
| 固定費 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 |
| 限界利益 | 0 | 50 | 100 | 150 | 200 | 250 | 300 | 350 | 400 | 450 | 500 |
| 総費用 | 200 | 250 | 300 | 350 | 400 | 450 | 500 | 550 | 600 | 650 | 700 |
| 利益 | -200 | -150 | -100 | -50 | 0 | 50 | 100 | 150 | 200 | 250 | 300 |
グラフにするとこんな感じ↓
売上と総費用の2本の線を見て、その差が損益、交わっている所が損益分岐点。というのが一般的な説明です。これは、利益=売上-総費用 の考え方ですね。
限界利益線を固定費用分下にスライドさせた利益線を引いた方が、個人的にピンときます。
利益=限界利益-固定費 の考え方です。
|
利益をY、売上Xとすれば、利益線は中学校の数学で習ったY=aX+b の形になります。 |
グラフとはあまり関係ありませんが、表の数字を見てください。
売上が800から900に変化したらどうなるか?
売上は+100(+12.5%の増収)、利益は200→250で+50(+25.0%の増益)となります。
売上の増え方に対して、利益の増え方が大きいです。
・利益率や固定費が一定であると仮定するならば、売上よりも利益の方が変動率が大きい。
次に、売上が500から600に変化したらどうなるでしょう?
売上は+100(+20.0%の増収)、利益は50→100で+50(+100%の増益)となります。
増収幅や増益幅で見れば、800→900に変化した時と変わらないのですが、率で見ると利益の変動が非常に大きくなりました。
・利益率や固定費が一定であると仮定するならば、損益分岐点に近いほど利益の変動率は大きくなる。
※必ずしもではないですが株価は、売上よりも利益、変動幅よりも変動率、に反応する事が多いように感じます。
今度は、変動費の多い下のようなモデルを考えてみましょう。
|
売上 |
0 |
100 |
200 |
300 |
400 |
500 |
600 |
700 |
800 |
900 |
1000 |
|
変動費 |
0 |
30 |
60 |
90 |
120 |
150 |
180 |
210 |
240 |
270 |
300 |
|
固定費 |
280 |
280 |
280 |
280 |
280 |
280 |
280 |
280 |
280 |
280 |
280 |
|
限界利益 |
0 |
70 |
140 |
210 |
280 |
350 |
420 |
490 |
560 |
630 |
700 |
|
総費用 |
280 |
310 |
340 |
370 |
400 |
430 |
460 |
490 |
520 |
550 |
580 |
|
利益 |
-280 |
-210 |
-140 |
-70 |
0 |
70 |
140 |
210 |
280 |
350 |
420 |
売上に対する変動費の割合が少ない(=限界利益率が高い)ですので、最初のグラフよりも傾きが大きいグラフになります。
Y=0.7X-280
損益分岐点は、最初のグラフと同じく売上が400の時です。
売上が800から900に変化したらどうなるか?
売上は+100(+12.5%の増収)、利益は280→350で+70(+25.0%の増益)
売上が500から600に変化したなら、
売上は+100(+20.0%の増収)、利益は70→140で+70(+100%の増益)となります。
利益の伸び幅は最初のグラフより大きいです。
・限界利益率が高いほど、利益が売上に対して大きな幅で動く。最初のグラフでは売上が100伸びても利益は50しか伸びませんでしたが、今度のグラフでは売上が100伸びれば利益は70も伸びます。
利益の伸び率は最初のグラフと一緒です。こちらは、損益分岐点からの距離に依存します。
さらに今度は、上の2つのグラフで、固定費や売価は変わらずに資源高によって変動費のみが1割上がったとしたらどうなるでしょう?
表やグラフを作ってもいいですが、面倒なので式で考えます。
最初のグラフ、売上が100に対して変動費が50で、限界利益率は50%でした。変動費が1割上がれば変動費は55となり、限界利益率は45%となります。
2番目のグラフ、売上が100に対して変動費が30で、限界利益率は70%でした。変動費が1割上がれば変動費は33となり、限界利益率は67%となります。
限界利益率が50%→45%になるのと、70%→67%になるのとでは、どちらが影響が大きいでしょうか? 前者ですね。
・限界利益率の低い(=売価に占める変動費の割合が大きい)モデルほど、変動費の増減の影響を受けやすい。変動費を原価だと思うとイメージしやすいかもしれません。
新しい損益分岐点を計算すると、最初のグラフの方は400→444に、2番目のグラフの方は、400→418です。
まとめ
・利益=(売上-変動費)-固定費
=限界利益-固定費
・利益をグラフにすると、限界利益のグラフを固定費の分だけ下にスライドした線となる
・限界利益=固定費 すなわち利益が0となる点が損益分岐点。損益分岐点以上の売上で利益が出る
・売上よりも利益の方が変動率が大きい
・損益分岐点に近いほど利益の変動率は大きくなる
・限界利益率が高いほど、利益が売上に対して大きな幅で動く
・限界利益率の低い(=売価に占める変動費の割合が大きい)モデルほど、変動費の増減の影響を受けやすい
架空の数字例ではいまいち実感がわかないと思いますので、次回は実際に企業の数字を見てみたいと思います。
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- [2008/11/25 23:17]
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