【今さら聞きにくい】銀行の資本、BIS規制のはなし 

日銀、金融危機で劣後ローン引き受けなど新対策検討へ

「なんで金融危機で劣後ローン引き受けなんだ??」と、いう人向けの記事です。あくまで、ざっくり理解するというのを目的としているので、細かい所ははしょってます。


経済学の授業で聞いた覚えが有るかもしれませんが、銀行の機能の一つが信用創造です。
信用創造ってなに?って人は、Wikiの概要を読んでみてください。
預金者が預けたお金を、お金が必要な人に貸したりする事によって、お金がどんどん回っていくようになります。銀行の大事な役割です。

上記の説明を読んでもなんとなく狐につままれた様に感じる人もいるかもしれませんが、銀行からお金を借りた人が利子をつけて全て返済していく限りは問題ありません。

では、借りている人が返せなくなったらどうなるか?
細かい事を言ったらいろいろありますが、基本的には損失は銀行が被ります。損失が有ったら、今まで積み重ねてきた銀行の蓄えの分(自己資本)で補います。

例1)自己資本200万円の銀行。1100万円の預金を集め、1000万円を貸し出していた。
このうちの1割、100万円を借りていた人が事業に失敗してお金を返せなくなった。
銀行は100万円の損失。

例2)自己資本50万円の銀行。1100万円の預金を集め、1000万円を貸し出していた。
このうちの1割、100万円を借りていた人が事業に失敗してお金を返せなくなった。
銀行は100万円の損失。
例1)と決定的な違いは、自己資本以上の損失となっている事です。こうなるとこの銀行は破綻してしまいますね。

例1)と例2)の条件の違いは、貸し出しているお金に対してに対しての自己資本の割合ですね。貸し出したりしているお金(リスクアセットと言います)に対する自己資本の割合を自己資本比率と言います。
自己資本比率=自己資本/貸しだしたりしているお金(リスクアセット)
例1)の自己資本比率は200万/1000万=20%
例2)の自己資本比率は50万/1000万=5%となります。
貸し出している先などの条件が同じならば、自己資本比率の高い方が破綻する確率は低くなります。

で、この自己資本比率を一定以上にしときなさいという国際的な取決めがあります。それがBIS規制です。
BIS規制に関しては、やさしいBIS規制が分かりやすいですので、読んでみてください。内容をより詳しく知りたい人は、新BIS規制[地方債協会]をお読みください。
BIS規制では国際業務を営む銀行に対して8%(国内業務の場合は4%)以上の自己資本比率の維持が義務付けられています。


自己資本比率=自己資本/リスクアセット
分子の自己資本は、基本項目(TierⅠ)+補完的項目(TierⅡ)+準補完的項目(TierⅢ)-控除項目  で計算します。国内基準の場合はTierⅢは含めません。

基本項目(TierⅠ)  資本金や公表準備金 等 
補完的項目(TierⅡ)  「その他有価証券(株等)」の評価益の45%不動産の再評価益の45%貸倒引当金、一定の要件を満たす永久劣後債・累積配当型優先株式、期限付劣後債・劣後ローン(原契約期間5年超)、期限付優先株、期限付劣後債・劣後ローン 等 
控除項目  配当及び役員賞与の社外流出予定額
銀行相互間における自己資本比率向上のための意図的な保有となるみなされる当該銀行相互間の株式、劣後債、劣後ローン等の額 


分母のリスクアセットは、各資産にそれぞれのリスクウェイトを掛けたものを足して求めます。国際基準の場合は、それにマーケットリスクも加えます。

リスクウェイト 資産項目 
 0% 現金(外国通貨及び金を含む)
OECD諸国の中央政府及び中央銀行向け債権
我が国の地方公共団体向け債権
 等 
 10% 我が国の政府関係機関向け債権
我が国の地方公共団体又は政府関係機関により保証された債権 等 
 20% .我が国を除くOECD諸国の中央政府以外の公共部門向け債権 等 
 50% 抵当権付住宅ローン 
 100% 上記以外の債権及びその他の資産

※上記2つの表は、だいぶはしょってますので、より正確な項目については新BIS規制[地方債協会]をご覧ください。

戻ってこない可能性もある普通の貸出しを100%として計算するのに対して、抵当権付住宅ローンなら担保があるので半分の50%、現金や先進国の国債や日本の地方債は返ってこない心配がほとんどないので0% として計算します。


自己資本比率=自己資本/リスクアセット
今は不景気で株価が下がり、不動産価格も下がり、貸出先企業が倒産したりしています。すると自己資本は下がり、自己資本比率は下がります。銀行の健全性を良くする為に自己資本比率を上げるには、分子の自己資本を増やすか分母のリスクアセットを減らすしかありません。

分母のリスクアセットを減らすには、貸出し金額を減らせばよいです。新規の貸出しを抑制すれば「貸し渋り」、既に貸していた分をすみやかに回収するのが「貸し剥がし」 。銀行は良くても経済への悪影響があります。できれば、リスクアセットを急に減らす事は避けたいところ。

分子の自己資本を増やすには、新規の株や劣後債を発行して誰かに買ってもらう、あるいは保有の株や不動産などの価格が上昇する必要があります。
株価対策の必要性についてはいろいろ議論されているようですが、株価はマーケットが決めるものだという考えもあるので、落としどころ見つけるのはなかなか大変だと思います。
劣後債などは、通常機関投資家が購入してくれますが、今は機関投資家の方でも購入余力がなくなってきているみたいでそれだけでは充分ではありません。三菱UFJやみずほコーポレート銀行といったメガバンク系の銀行は、個人向け劣後債を発行しています。メガバンクなら破綻する確率が低いだろうと2.3~3.3%の利率で劣後債を買う人も多いようです。しかし、地方銀行などが個人向け劣後債を発行しても、金利をもっと高くしない限り買ってくれる人は少ないと思われます。じゃあ誰が買うか?

日銀、金融危機で劣後ローン引き受けなど新対策検討へ というわけですね。

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コメント

はじめまして!

はじめまして!「株ではじめる資産運用」でイラスト・レイアウトを担当しているみはるんと申します。
ぜひ私も一度ご挨拶をと思い、コメントさせていただきました^^

私、相当な初心者でして・・・(笑
staygoldさんのブログでいつも勉強させていただいております><;

それにしてもBIS規制恐ろしいです!
銀行さん、無茶です><!!って金融の知識初心者としては思ってしまいます。。。

またぜひ遊びにこさせてくださいです~でわでわ^▽^

みはるんさん
はじめまして。

私もみはるんさんのブログ見てますよー。

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