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小売業の業績を見る3~営業益の増減の要因を分解する。 

小売業の業績を見る1~販管費の伸びで見る規模拡大 
小売業の業績を見る2~営業利益 の続きです。

イオン 2005年2月期   2006年2月期   2007年2月期   2008年2月期   2009年2月期    
営業収入 4,195,843 18.3% 4,430,285 5.6% 4,824,775 8.9% 5,167,366 7.1% 5,230,786 1.2% 営業収入
営業利益 146,777 11.0% 166,105 13.2% 189,728 14.2% 156,040 -17.8% 124,373 -20.3% 営業利益
販管費 1,266,476 18.3% 1,368,584 8.1% 1,548,365 13.1% 1,697,944 9.7% 1,732,199 2.0% 販管費

売上は、伸び続けています。しかし営業利益は、2008年2月期・2009年2月期と2期連続でマイナスです。なぜ売上は増えているのに営業利益は減るのか?


下の表の一番下、逆販管比率は、私の造語で販管費率の逆数です。
これは、一般的な指標ではないと思いますが、小売業や飲食店を見る時に個人的に好きな指標なので、ちょっと書かせてもらいます。

逆販管費率が3.31であれば、店舗を運営するのにかかるコスト(販管費)が1店舗あたり1億円としたら、1店舗あたりの売上が3.31億円あるという事です。
販管費率の逆数なので、販管費率の推移を見れば済む事といえば済む事なんですけども。。小売の場合、1店舗あたりのコストよりも、1店舗あたりの売上の方が大きく変動すると思うので、私は逆数で見た方がピンときます。1店舗あたりで考えた方がイメージしやすいですし。

逆販管費率を前期比で見れば、(既存店に限らずの)1店舗あたりの売上推移を簡易的に見る事ができます。もちろん、1店舗あたりのコストも変動しますし店舗の規模は一定ではないので1店舗あたりの売上推移とは厳密には一致しませんが。1店舗あたりの売上が-2%でも販管費も2%引き下げできたら、売上・販管費が一定の場合とトントンだと私は考えますし。むしろ厳密な1店舗あたり売上推移よりも、業績を見るのには適しているのかなと。

イオン 05年2月期 前期比 06年2月期 前期比 07年2月期 前期比 08年2月期 前期比 09年2月期 前期比  
売上 3,813,634 17.0% 4,040,600 6.0% 4,345,308 7.5% 4,650,088 7.0% 4,706,069 1.2% 売上
売上総利益 1,031,044 12.7% 1,145,005 11.1% 1,258,626 9.9% 1,336,707 6.2% 1,331,855 -0.4% 売上総利益
売上外営業 382,209 32.9% 389,685 2.0% 479,467 23.0% 517,278 7.9% 524,717 1.4% 売上外営業
販管費 1,266,476 18.3% 1,368,584 8.1% 1,548,365 13.1% 1,697,944 9.7% 1,732,199 2.0% 販管費
営業利益 146,777 11.0% 166,105 13.2% 189,728 14.2% 156,040 -17.8% 124,373 -20.3% 営業利益
粗利益率 27.0% -3.7% 28.3% 4.8% 29.0% 2.2% 28.7% -0.8% 28.3% -1.5% 粗利益率
逆販管費率 3.31 0.0% 3.24 -2.3% 3.12 -3.7% 3.04 -2.3% 3.02 -0.8% 逆販管費率
営業収益 4,195,843 18.3% 4,430,285 5.6% 4,824,775 8.9% 5,167,366 7.1% 5,230,786 1.2% 営業収益

営業利益=(売上×粗利益率)+その他営業収入-販管費
ですので仮に、粗利利益率が一定で、売上とその他営業利益が販管費と同じ割合で増えたとしたら、営業利益も同じ割合で増えます。

08年2月期を見ると、販管費が+9.7%なのに対して、売上が+7.0%増・売上外営業収入が+7.9%にとどまっています。粗利益率も29.0%から28.7%へと下っています。
ここで仮に売上や売上外営業収入が販管費と同じ+9.7%になっていたらどうなっていたか?
売上が4兆7651億円。実際の売上は4兆6501億円ですので、その差は1150億円。
売上総利益(粗利益)が1兆3802億円。実際の粗利益は1兆3367億円ですので、その差は435億円
売上外営業収入が5258億円。実際の売上外営業収入は5173億円ですので、その差は85億円
もし粗利も売上外営業収入も+9.7%の伸びとなっていれば、営業利益も+183億円の2081億円で+9.7%となったはずでした。

粗利が販管費ほどに伸びてない理由は、(1)売上が販管費ほどに伸びてない(2)粗利益率が落ちている の2つの要因が考えられます。
もし仮に売上が+9.7%で粗利益率が28.7%だったとしたら、粗利益は4兆7651億円×28.7%=1兆3698億円。粗利益率が29.0%の時が1兆3802億円ですので、その差は104億円。
粗利益要因が435億円のうち、104億円が「(2)粗利益率が落ちている」からで、残りの331億円が「(1)売上が販管費ほどに伸びてない」から
さらに売上外営業収入が伸びてないからが85億円

 要因 金額    営業利益
売上が販管費ほどに伸びてない

-331億円 

-63.7%  -234億円 
粗利益率が落ちている  -104億円  -20.0%  -57億円 
売上買い営業収入が販管費ほどに伸びてない  -85億円  -16.3%  -46億円 

-520億円

-100%  -337億円 

-520億円というのは営業利益が前期比+9.7%となる時と比べた場合の乖離です。前期比で見た実際の営業利益-337億円したので、同じ割合を当てはめたのが、表の一番右の数字です。
08年2月期は営業利益が337億円減った要因は、「売上が販管費ほどに伸びてない」が約6割と主な要因で、「粗利益率が落ちている」と「売上買い営業収入が販管費ほどに伸びてない」が約2割づつ。

同じ様に09年2月期の数字で計算をして見ると、

 要因 金額    営業利益
売上が販管費ほどに伸びてない

-107億円 

-30.8%  -97億円 
粗利益率が落ちている  -211億円 

-60.6% 

-192億円 
売上買い営業収入が販管費ほどに伸びてない  -30億円  -8.6%  -27億円 

-348億円

-100%  -317億円 

09年2月期は営業利益が317億円減った要因は、「粗利益率が落ちている」が約6割と主な要因で、「売上が販管費ほどに伸びてない」が3割、「売上外営業収入が販管費ほどに伸びてない」が1割。
売上の悪化に危機感を持ち、多少粗利益率を犠牲に(28.7%→28.3%)してでも値下げを行った結果かなと思います。
関連記事 イオンが「反省」広告 [JBpress]

粗利益率が28.7%と28.3%というのは、売価1000円の商品を713円で仕入れるか717円で仕入れるか。あるいは、713円仕入れた商品を1000円で売るか994円で売るか。程度の違いです。
このわずかの違いが、営業利益に大きな影響を与えるのですから、小売業の「仕入れ力」と「価格設定」がいかに重要かが分かると思います。

もちろん、値下げを行うに当たっては原価引き下げなどの努力もしていると思います。たとえば原価を3%引き下げたうえで売価を3.4%下げるといった形で。
また、一律に引き下げるのではなく、消費者が価格に敏感な商品を中心に引き下げるといったメリハリはつけていると思います。


売上は、伸び続けています。しかし営業利益は、2008年2月期・2009年2月期と2期連続でマイナスです。なぜ売上は増えているのに営業利益は減るのか?

に対する私なりの回答は、
2008年2月期が営業減益だったのは、販管費が+9.7%と大幅に伸びた(≒規模が大きくなった)のにそれに売り上げや売上外収入増が追いつかなかったのが主な要因。

2009年2月期は、値下げをする事で売上の減少をなんとか食い止めた。しかしその為粗利益率が悪化してしまったので、営業利益は減った。

ちなみに、2006年2月期や2007年2月期も「売上が販管費ほどに伸びてない」のですが、粗利益率が上昇している(おそらく規模の拡大によってバイイングパワーが増しているのが一因)ので、営業増益となっています。


それから、イオンの場合は利益率の異なった事業部門を複数抱えているため、利益率の高めの部門の方が減少率が高ければ、全体の利益率も下ってしまいます。
今回やったような、販管費と売上の伸びを比べたり、粗利益率の動きを比較する方法は、シンプルな小売企業の方が適していると思います。企業内の業態がそれほど多くなく業態間の利益率の大きな差がない売上外営業収入の少ない会社。
その点、イオンの場合は、傘下企業が多く複雑なのでサンプルとしてはあまり良くなかったかもしれません。

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