ETFの乖離率について考える その1 日本株型 

ETFは、普通の投資信託と比べて長所もある反面、短所も有ります。今回はETFの基準価格と取引価格の乖離率についてです。

普通の投資信託が実際の保有資産の価格の合計によって算出される基準価格によって取引されるのに対して、ETFは上場されており一般の株式と同じ様に取引される為、買い注文と売り注文が会ったところで売買が成立し、必ずしも基準価格と同じ価格で売買できるとは限りません。

基準価格と乖離しやすいETFは、価格変動リスク(余計に上がったり下ったりする可能性)も増える事になります。
ただしこのリスクは、必ず悪い方にばかり働くとは限りません。例えば、買う時にマイナスに乖離していれば、基準価格よりも安い価格で購入が可能です。もし売る時にそれよりもマイナス乖離が縮小していればその分+αの利益となります。当然ですが、売る時にさらにマイナス乖離が増えていれば、その差分だけ利益が減ります。
市場平均に投資したいっていうインデックス投資家にとっては、このリスクは低いに越した事はないと言えるでしょうね。

ETFの解離率は、モーニングスターの上場ETF価格情報で見る事ができます。

乖離率=(取引価格-基準価格)/基準価格 


モーニングスターのこの表はすごく良いと思うのですが、モーニングスターの乖離率について注意する点もあります。

(A)日本株型、すごく取引が少ないETFの場合。
基準価格は、その日の引けの株価で計算されます。しかし取引が少ないETFの場合、引けでは取引が成立場合が有ります、その場合最後に成立した取引価格で計算されます。
例えば、朝の基準価格(時価)が200円で、取引価格が201円だった場合、その時点での乖離率は0.5%です。その後このETFの取引は行われず、株価が下落し基準価格が199円に下がった場合、モーニングスターの乖離率は約1.0%となります。

(B)外国株型ETFの場合。
外国とは時差が有る為、取引時間帯が日本とは異なります。
その為基準価格は、前日の外国株の終値を基にして計算されます。
例えば、前日の外国株の基準価格が200円で、朝の取引価格が201円だった場合、その時点での乖離率は0.5%です。しかしその後、今夜の外国株が上がりそうなニュースが有ったり、円安が進んだりして、取引価格が202円まで上昇した場合、モーニングスターの乖離率は1.0%となります。


まずは、「TOPIX・日経225」型を見て見ましょう。2010年8月20日の数字です。

コード ETF名 連動対象 乖離率*   終値* 基準価額* 出来高* 取引金額
1305 上場トピックス TOPIX 0.11% 履歴 834 8,331 61,100 50,957
1306 TOPIX上場 TOPIX -0.03% 履歴 836 83,628 1,171,970 979,767
1308 日興 上場TOPIX TOPIX 0.07% 履歴 820 81,943 264,600 216,972
1320 上場225 日経225 -0.16% 履歴 9,160 9,175 149,010 1,364,932
1321 225上場 日経225 -0.12% 履歴 9,190 92,014 611,573 5,620,356
1329 日経225 日経225 1.37% 履歴 9,280 9,155 540 5,011
1330 上場225 日経225 0.10% 履歴 9,250 9,241 374,070 3,460,148
1346 MAXIS 日経225 日経225 -0.13% 履歴 9,230 9,242 16,078 148,400
1348 MAXIS トピックス TOPIX 0.07% 履歴 830 82,943 116,610 96,786

1つのETFを除いて、乖離率が+-0.16%以内に収まっています。
乖離率が低い要因として考えられるのは、
(1)投資対象の指数が非常にメジャーであり、リアルタイムで現在の指数がどうなっているかが多くの人が分かっている。
(2)TOPIXや日経225には先物取引が有るので、それとの裁定取引。及び、ETF同士での裁定取引が可能。
(3)取引が活発で有る。

ちなみに1つのETFを除いて、と書きましたが、それがISharesの日経225です。これは、8月20日で+1.37%とちょっと大きめの乖離となっています。他の日経225型の出来高が、16,000~600,000と非常に大きいのに対して、このETFは540と少ないです。上で言うと、(3)の理由が欠けている形になります。
※モーニングスターの表は出来高のみですが、本当は取引の多さを見るならば、出来高よりも取引金額(取引価格×出来高)、もしくは取引単位(出来高÷単元株数)を比べた方が良いと思います。ただ同じ日経225型同士を比べるのであれば、基準価格はほぼ同じですので、出来高で比べても、それほど支障はないかと思います。

取引が少ないETF特に出来たばかりのETFの場合は、基本的には運用会社が新規に売り出す分を売り注文を出し、それに投資家が買い注文を出して注文が成立します。その為、基本的に運用会社の売り注文の価格が取引価格となりがちです。
また取引が少ない銘柄は、取引の板もまばらになりがちですので、価格にバラつきがでやすいです。

続いて、「日本その他」型見てみましょう。2010年8月20日の数字です。

コード ETF名 連動対象 乖離率*   終値* 基準価額* 出来高* 取引金額
(千円)
1310 上場コア30 TOPIX Core30 -0.31% 履歴 457 45,844 700 320
1311 コア30上場投信 TOPIX Core30 0.82% 履歴 468 46,420 136,160 63,723
1312 野村 ラッセル上投 R/N Small Cap Core 0.35% 履歴 8,300 82,708 132 1,096
1314 日興 上場新興 S&P日本新興株100指数 0.93% 履歴 537 53,203 200 107
1316 日興 上場大型 TOPIX 100 -0.61% 履歴 - 57,013 0 0
1317 日興 上場中型 TOPIX Mid400 0.74% 履歴 - 85,151 0 0
1318 日興 上場小型 TOPIX Small 0.22% 履歴 - 84,422 0 0
1319 日経300上場投信 日経300 -16.73% 履歴 - 16,757 0 0
1343 野村 東証REITETF 東証REIT指数 0.17% 履歴 930 92,845 10,770 10,016
1344 MAXIS TOPIX Core30 TOPIX Core30 -0.17% 履歴 457 45,778 3,860 1,764
1345 日興 上場Jリート隔月 東証REIT指数 1.02% 履歴 913 90,381 38,400 35,059
1347 日興 上場グリチ35 FTSE日本グリーンチップ35 0.23% 履歴 - 297,141 0 0
1544 日興 上場MSCIJ株 MSCIジャパンインデックス 1.61% 履歴 526 51,767 10 5
1670 MAXIS S&P三菱系 S&P企業グループ三菱系企業群 -1.51% 履歴 93 9,443 65,800 6,119
1698 日興 上場高配当 東証配当フォーカス100 2.90% 履歴 983 95,531 1,320 1,298
これらの多くは、(1)(2)(3)の条件を満たしてません。特に(3)に関しては、先ほど少なめだと言ったishares日経225よりも、さらに取引金額が少ないものも多く、なかには出来高が0=全く取引がなかったものも有ります。

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日経300上場投信の問題について

日経300上場投信の市場価格が純資産より30%も低く取引されています。
問題点をHPにまとめました。
ご紹介いただけるとありがたいです。

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