日本債券型ファンドのリターンの考察 

金利が上昇すれば、債券価格は下がります
金利が下落すれば、債券価格は上がります

※話を単純にする為に複利ではなく単利で考えます。
残り3年で金利年1%の債券Aが有ったとして。もし新しく3年で年2%の債券B(他は同条件とする)が登場したとしたら。新しい債券Bは100万円購入で、2万円×3年=6万円の金利を受け取れます。
一方、残り3年で年1%の債券Aは、100万円分で、1万円×3年=3万円の受取金利となるので、だれもこっちは選びませんね。じゃあいくらならAを買うかと言ったら、97万で買えるなら3万円+3万円で6万円の利益となります。
100万→97万 3%の価格下落という事です。

債券価格の下落率=残存年数×金利の上昇率
債券価格の上昇率=残存年数×金利の下落率

残存年数が2年であれば、受け取れる金利の差は2万円ですので、債券価格は2%下って98万円になればつりあいます。

コストが低めな日本債券型ファンド一覧でも書きましたが
国内債券型投資信託のリターンは
債券価格の上下による損益+受取金利-信託報酬等のコスト です。

日本債券型投信には様々な残存期間の債券が含まれています。金利の影響度が、残存期間どの位の債券と同じかを計算したものが、(修正デュレーションです。
債券型投信の
債券価格の上下による
上昇率=デュレーション年数×金利の下落率

A、将来的な受取金利は、金利が上昇したほうが増えますが、
B、
債券価格の上下による損益は、金利が上昇すれば基準価格は下落します。
デュレーションが長いほど、保有期間が短いほど、Bの影響が大きくなります。

反対に短期債券型のファンドですと、修正デュレーションも小さくなりますので、その分金利変動による基準価格の変動は小さくなります。
デュレーションが極々短く、金利が変動しても債券価格がほとんど変化しないファンドが、MMFやMRF。これらは金利の変動は、Aの受取金利の方のみ影響を受ける。

また、何年もの長期保有の場合ですが、受取金利が着実に積み重なっていくのに対して、金利の変動は5年10年とず~っと上がり続けたり・下がり続けたりする可能性は低くく、有る程度一定の範囲内で動くと思いますので。保有期間が長くなるほど相対的に、Bの金利変動による基準価格の変動よりもAの受取金利の影響が大きくなっていきます。

では実際に、STAM国内債券インデックスのファンドレポートを見てみましょう。
デュレーション6.67年 
複利利回り0.63%
信託報酬が0.42%となっています。

債券価格の上下による損益+受取金利-信託報酬等のコスト 
でしたので、受取金利-信託報酬等のコスト≒0.2%となります。1ヶ月あたりでは、0.02%程度です。
これが債券価格の変動を除いた分の、ファンドの利回りとなります。少な。。
デュレーションが6.67年という事は、0.1%の金利の上下で、6.67×0.1=0.667%債券価格は変動します。今後さらに0.1%金利が下がり利回りが0.53%となったとしたら、6.67×0.1≒0.7%弱債券価格が上昇します。反対に利回りが0.2%上昇したとしたら1.3~1.4%位債券価格が下ります。

上を見ても分かる通り、今みたいな低金利下においては、数日・数週間・数ヶ月・1年の短期~中期投資では、日本債券型ファンドは、受取金利による基準価格の変動よりも、金利変動による基準価格の変動の方がずっと大きい事が分かります。

STAM国内債券リターン 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2010年 -0.20% 2.20% -- -- --
2009年 -0.80% 0.50% 0.80% 0.40% 0.90%
2008年 -- -1.40% 0.80% 2.40%  

3ヵ月で0.5%以上の変動はザラ。今年の4-6月期では、3ヵ月で2.20%も上昇しています。これはこの間に金利が下がったからですね。10年国債の利回りを見ても2010年3月位から下がり続けています。また、これを見ると2008年3月位から7月位にかけて金利が1.25%位から1.75%位へと一気に金利が上昇しています。STAM国内債券の2008年4-6月期のリターンを見ると、-1.40%の大きめの下落となっていますね。
余談ですが、定期預金の金利も昨冬のボーナスシーズンと比べて今夏は下ってますよね。
4月の修正デュレーションも現在とそんなには変わらないでしょうから、6.5年~7年の間位でしょう。2.20%の上昇のうち0.1%弱は受取金利-信託報酬等のコスト ですので、2%ちょっとが金利変動による基準価格の変動部分となります。2%を7年で割るとおよそ0.3%。おそらく、4月時点の利回りは0.9%位有ったんでしょう。金利が4-6月の3ヵ月で0.3%位下がったので、2%越えの上昇となったのでしょう。

日本債券型ファンドを保有している間に、これからも、金利が下がり続ければ、定期預金などとは違い、短期間で利益を上げる事ができます。ただし金利は基本的には0%よりも下る事はないので(経済学などでの理論上はマイナス金利というのも有るでしょうけど)、日本債券の金利の下げ余地は最大でも0.6%程度しかありません。

まとめ
金利が上昇すれば、債券価格は下がります
金利が下落すれば、債券価格は上がります

債券型投信の債券価格の上下による上昇率=デュレーション年数×金利の下落

国内債券型投資信託のリターン債券価格の上下による損益+受取金利-信託報酬等のコスト

短期債券型など、修正デュレーションの短いものほど、金利変動による基準価格の変動は小さくなる。

数日・数週間・数ヶ月・1年の短期~中期投資では、日本債券型ファンド(短期型を除く)は、受取金利による基準価格の変動よりも、金利変動による基準価格の変動の方がずっと大きい。

現在の日本の経済状態を見て、まだ金利は下がるだろうとの読みで、日本債券型ファンド(短期以外)を買うのは良いと思いますけど。
金利を見ずに、最近のリターンが高いからと、定期預金のつもりで投資するのは。。金利が上昇に転じれば元本割れしてしまうかもしれません。


おまけ
STAM国内債券インデックスオープン 
デュレーション6.67年 複利利回り0.63% 信託報酬が0.42%

STAM国内債券IO 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2010年 -0.20% 2.20% -- -- --
2009年 -0.80% 0.50% 0.80% 0.40% 0.90%
2008年 -- -1.40% 0.80% 2.40%  

DLIBJ 公社債オープン(中期コース)
デュレーション6.22年 複利利回り1.02% 信託報酬が0.4725%~ 
DLIBJ公社債O(中期) 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2010年 1.20% 1.50% -- -- --
2009年 -1.00% 1.10% 1.50% 0.90% 2.50%
2008年 0.60% -0.40% 0.50% 1.10% 1.80%
2007年 1.10% -0.60% 0.70% 1.30% 2.50%
2006年 -0.70% -0.70% 1.30% 0.70% 0.60%

DLIBJ 公社債オープン(短期コース)
デュレーション2.08年 複利利回り0.77% 信託報酬が0.315%~
DLIBJ公社債O(短期) 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2010年 0.30% 0.40% -- -- --
2009年 0.30% 0.90% 0.70% 0.70% 2.60%
2008年 0.70% -0.90% 1.30% 1.30% 2.40%
2007年 0.50% 0.10% 0.30% 0.50% 1.30%
2006年 -0.80% -0.10% 0.30% 0.10% -0.60%

STAM国内債券と、BLIBJ公社債オープン(中期コース)を比べると、デュレーションは6年台で近いですが。複利利回りは、公社債オープンの方が高いです。これは、STAMが国債の割合が多めなのに対して、DLIBJは社債など国債よりもリスクが高めの債券が多めに入っているからだと思います。BLIBJ公社債オープン(中期コース)の方がリターンが高いのは、受取金利が年0.4%程度高いというのも有りますし、もともとの金利が高めの為同じ期間での金利の下げ幅も大きかったから。というのが考えられます。

DLIBJ 公社債オープン(中期コース)DLIBJ 公社債オープン(短期コース)を比べると、デュレーションは当然(短期コース)の方が短いです。複利利回りは、残存期間の長い(中期コース)の方が高くなっています※イールドカーブ

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